
イギリスにはUFO史に残る重大なUFO目撃事件が複数存在している。中でも1990年8月に発生した「カルバイン事件」は、複数人に目撃されている上に鮮明な写真が撮影されていたことで知られる事件だ。
1990年8月、スコットランドのパースシャー郡ピトロッホリー(ピトロクリ)の町へハイキングに訪れていたケビン・ラッセルという男性がA9高速道路の近くで「ダイヤモンド型のUFO」を目撃した。それは非常に大きな菱形で、戦闘機が護衛ないしは周囲を警戒して飛行しているようだった、という。
ラッセル氏はUFOの撮影に成功、写真とネガはイギリス国防省に送られたが、その後紛失してしまった…とされていたが、写真の写しを空軍の報道担当者が保管していた事が判明。その後、機密扱いとなっていた「カルバイン事件」は2020年1月に情報公開がなされる予定だったが、なぜか50年先の2072年まで公開期限が延長されてしまったため、様々な憶測を呼ぶ結果となったいた。
しかし、この写真について追跡調査を行っていた人物の一人であるBBCホライズンズの元プロデューサー、サイモン・ホランド氏が「ついに謎の『ダイヤモンド型UFO』の正体を突き止めた」と発表して話題になっている。
彼は3月6日の『デイリー・レコード』紙にて次のように述べている。
「この写真が偽物でないことは、多くの人が認めていると思います。あの日、空にはUFOと一緒に謎のジェット機がいたはずです。しかし国防省は以前、1990年8月4日当日ににパースシャーで『既知の』ハリアーは飛んでいなかったと発表していました。しかしこの事実は、UFOを追跡していたジェット機の所有がどこのものだったのかを知るための大きな手がかりとなります」
「私は当時、イギリス空軍以外でハリアーを所有していた唯一の英国の機関は、防衛請負業者であるBAEシステムズが所有しているものだけだったという事実を突き止めました。彼らはハリアーをマルチロール防衛テストプラットフォームとして使用し、BAE社の先端技術をテストしていたのです。私はさらに掘り下げて、ランカシャー州ワートンのBAE本社内にあるマルコーニ・アドバンスト・マテリアルが、おそらくアメリカ空軍のために高度なステルス用マテリアルを開発していることを発見しました」
サイモン氏によれば、状況証拠を積み上げるとこのUFO事件は、イギリス国内企業が作成したステルス用の素材を使用した戦闘機を用いて飛行試験を行っていたものではないか、という事になる。そこでサイモン氏は裏付けを得るため、1980年代後半にランカシャーで英国航空宇宙局のステルスプログラムの開発に携わったロン・エヴァンス氏に話を聞いたという。
「エヴァンス氏は、カルバインで実験が行われたかは確認しなかったが、『レーダーから航空機を隠すために秘密のメタマテリアルを使用した』ことを説明してくれました」
エヴァンス氏自身も実際に飛行試験等が行われたかは把握していなかったそうだが、ステルス素材の開発を行っていた事は認めている。だとするとやはり、あの「ダイヤモンド型UFO」の正体は実験段階のステルス機であり、普通の戦闘機と違ったシルエットだったためUFOと間違えられたのではないか。そして英国防総省がこの事件に関する情報の公開を50年後に先送りしたのも、兵器開発に関するものだという事を把握していたからではないのか…と想像ができる。
「カルバイン事件」について、サイモン氏は「既にあの日、何かが行われていたことを示唆する十分な証拠が私の元にあると思っています。国防省が表に出てきて、この事件についてすべて話してくれれば、非常に助かります」と語っている。
Former BBC Horizon producer Simon Holland came forward after the Daily Record yesterday revealed new clues on the famous “Calvine Incident” in Perthshire in 1990https://t.co/ijdi76PJ0D
— The Daily Record (@Daily_Record) March 7, 2023
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 https://twitter.com/Daily_Record
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