100人を殺害した殺人鬼たちの廃墟、魅力的な観光地に変身

かつてメキシコで最も悪名高い殺人鬼たちが収容されていた刑務所が、現在華やかな観光地として生まれ変わろうとしているという。

その名はイスラス・マリアス刑務所。ここにはかつて、なんと9歳で殺人を犯した悪名高い殺人鬼「エル・サポ」をはじめとする、メキシコで最も悪名高い殺人鬼たちが収容されていた。またこの刑務所は「メキシコのアルカトラズ刑務所」とも呼ばれていたという。

この刑務所が一番近い海岸から船で5時間という離島に建っていたうえに、周囲の海には凶暴なサメが泳ぎ回っていたことから、脱獄はほぼ不可能と言われていたのだ。なお、それでも多くの囚人が脱獄に挑戦し、中には成功してしまった事例もあったとか。

この刑務所には多くの悪名高い犯罪者が入っていまイスラス・マリアス刑務所が、おそらく最も有名な囚人は「エル・サポ」の異名で知られる大量殺人鬼のホセ・オルティス・ムニョスだろう。ムニョスはわずか9歳のときに教師のお気に入りである同級生に嫉妬し、コンパスで刺して殺害したという。




その後、彼は100人以上のデモ参加者を射殺するなど、実に120人以上を暴行・強姦・殺害したという。彼は1946年に逮捕された後、30年の刑を宣告されてイスラス・マリアス刑務所で服役することになった。あまりに規格外の殺人犯だったためか、「エル・サポは収監されたの後にメキシコ政府に雇われて殺し屋になったが、キリスト教に改宗して自身の犯行を悔い改めた」という都市伝説が産まれるまでになった。実際には収監からほどなくして、他の受刑者に殺害されたため刑務所の敷地内に埋葬されたという。

イスラス・マリアス刑務所は今から4年前に刑務所としての役割を終えたが、その後華やかなホリデーリゾートとして生まれ変わった。かつてエル・サポをはじめとする犯人たちが通ったホールも、今や観光客が歩く清潔で開放感のあるホールに生まれ変わっている。

この島を訪れる人の中には、メキシコのアルカトラズと呼ばれた刑務所や収監されていた殺人鬼に興味を抱く人もいるかもしれないが、犯罪に興味が無い人でもほとんど手付かずの自然に囲まれたこの島でリゾート気分に浸る事ができる。

刑務所は完全に改修され、ほとんど見違えるような外観となり、かつて刑務所の温厚な受刑者が住んでいたとは思えないような豪華なミニ・アパートになった。早朝のハイキングから、かつて囚人たちが働いていた塩鉱山の見学まで、自然を満喫できるツアーも用意されている。たっぷりリゾートを満喫した旅行者は、レストランで夕食をとりながら一日を振り返り、専用のヴィラで眠りにつくこともできる。

この島をリゾート化する構想を抱いたのはメキシコのロペス・オブラドール大統領本人。彼は昨年12月にこの島を「遠足、探検、自然との共存するための観光地」と称している。

(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

 

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