
詐欺罪で裁判中の自称霊能者の弁護士が、「依頼人を悩ませた悪霊を阻止するという約束を守ったのだから、有罪にはならない」という、かなり異例の弁護を展開しているという。
地元メディアの報道によると、この裁判はアメリカはフロリダ州にてグレン・ランスキー弁護士が透視能力者と称するジェイシー・ワッソに対する裁判の冒頭陳述の一部として提出したものだ。
フロリダ州の当局によると、この占い師はクライアントのリン・ハルフォンさんに対し「一族の呪いが母親の命を奪う準備をしており、経験豊富な魔術師だけが防ぐことができる」と説得、彼女から100万ドルという高額の金を騙し取ったとされている。
先月28日火曜日に行われた裁判の冒頭でフロリダ州検察は、霊能者のワッソ被告がハルフォンさんに「闇があなたに取り憑く」「最終的には家族全員が奪われる」 と警告していた文章を提出した。
ワッソ被告のメッセージを聞いて心配になった女性は、彼女のアドバイスに従ってリチャード・ラパポート氏という「金持ちのソウルメイト」を探して彼と結婚しただけでなく、その後「自分を狙った悪霊との戦い」に資金を提供するよう、偽りの口実で説得。しかしワッソ被告と共犯者2人は彼女からの金をあらゆる贅沢品につぎ込んでいたことが判明したのだ。
しかしランスキー弁護士は裁判でワッソ被告を弁護する際、依頼人がハルフォンさんに肉体的な強要をしたことはなく、「脅しは『金を払わないと悪霊が来るぞ』というものだったはずだ」と発言。更に「実際に悪霊は来なかったため、霊能者は契約を果たしたといえる」と主張した。
この主張が正しいかどうかは陪審員の判断に委ねられるが、ハルフォンさん自身は、一見善意であったにもかかわらず、ラパポート氏に大金を必要とする理由について嘘をついたとして詐欺罪の罪を認めることになった。その結果執行猶予付きの懲役刑を受け、母国イスラエルに強制送還され、離婚に至っている。
果たしてこの裁判の結末はどうなるのか。気になるところだ。
Guilty: Psychic coached young wife into stealing $1 million from aging husband #JayceeWasso
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— Law & Crime (@lawcrimenews) March 6, 2023,
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 Vitaliy Shmidt / PIXABAY