
空を見上げると、奇妙な雲が確認される事はままある。先日、トルコで目撃されたレンズ雲は日の光を浴びて赤色に染まっていたため、UFOか天変地異の前触れかと注目を集めた。日本でも奇妙な形状の雲が確認されると、地震の前兆ではないかと話題に上る事も多い。
先日、アメリカのミシシッピ州では非常に奇妙な形状の雲が確認された。
竜巻を追跡し、映像等に記録するストームチェイサーのStan Dorroh氏が、21日火曜日の夕方に同州Starkvilleのコミュニティを車で通りがかった所、頭上に奇妙な雲が出現したのを発見。すぐに車を停めて写真に収める事に成功したという。
空に垂直に雲が昇っていく様子は飛行機雲や、ロケットの煙にも見えなくないが、途中から綺麗に曲がって下に落ちてしまっている。ちなみにこの写真を撮影してから1分もしないうちに雲は薄らいでいき、SNS上に写真を投稿する間もなく「消えてしまった」そうだ。
果たして、この奇妙な雲は何だったのか。
Several other different horseshoe vortex clouds around that time pic.twitter.com/EYJBlo982z
— Paul M Smith- 2023 workshops are live (@PaulMSmithPhoto) February 27, 2023
実はこの雲は「馬蹄形渦状雲(馬蹄雲)」という極めて珍しい雲だったのだ。画像を共有したFacebookの気象グループ「North Mississippi Storm Chasers & Spotters」によれば、この現象は「平らな雲(主に積雲)が、暖かく上昇する空気の柱の上を移動し、消えかけているときに発生する」という。
この相互作用により、雲の中央部が上方に押し上げられ、馬蹄形が形成されるとともに、わずかな回転が発生。大気中の渦の管を可視化する形でこの雲が形成されるという。ちなみに馬蹄雲は日本でも報告されている。
前述のNorth Mississippi Storm Chasers & Spottersは、この雲について「最も見つけにくく、最も早く消える雲の一つ」であると指摘し「ミサイルやUFOなどとは全く関係ない」自然の気象現象であることを強調している。
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 Alexander Fox | PlaNet Fox / PIXABAY