
当時小学生だった頃のお話です。
両親の生まれ故郷である、北海道に住んでいた時、生まれて初めて犬を飼った時の事でした。子犬が生まれたのでと、もらってきた犬の名前がジロ。北海道犬(アイヌ犬)(狩りをする時に使われるマタギ犬)と雑種のミックスの子犬でした。
小さい時は何とか大丈夫だったのですが、狩猟犬だけあって力強く、1年もすると、小学生の手には負えないほど力強く、段々と散歩に行かなくなってしまいました。ある時、金属の鎖を噛み切って脱走した事が有り、父親は、新日本プロレスの真壁さんが首に巻いているような、物凄く太い鉄の鎖を買ってきて交換しました。
しかし、それも時間をかけて噛み切って脱走してしまいました。
そんな時です。多分朝方の4時頃とかの、日が開け始める時間だったと思います。鎖を噛み切った愛犬が、家の周りのアスファルトの道路を鎖を引きずりながら、走り回っている様な音が聞こえた様に感じました。
家族も僕もまだ気づかずに寝ていたのですが、僕の夢の中で愛犬ジロの気持ちが感じられました。『やった!鎖が切れた!』家の周りをうろうろしながら、『一緒に遊ぼうよ!』と物凄く嬉しそうでした。
何度も行ったり来たりしていたのですが、誰にも気づかれずにいたので、そのうち家を離れて近所の川の土手沿いや、少し離れた道路を走り回っていました。風を感じ、思いっきり走り回っている時の感覚も感じました。『やった〜自由だ〜!』『気持ちいいなぁ〜』と。
しかし暫く走り回った後に、誰も居ないので、少し寂しくなった感覚も感じました。そんな時、片田舎でしたので、近所でニワトリを飼っている家が有り、誰も居ない中、朝から、コケコッコーという元気な声に誘われて、その家の庭のニワトリ小屋に近づいて行きました。そして、金網を破り、ニワトリに飛びついたり、噛み付いたりして遊んでいました。
そんな感覚が僕の中にも感じられました。
ふと気がつくと、ニワトリの叫び声に気がつき出てきた家の主人が、物凄く怒って居ました。はっと我に返った時には愛犬ジロの口元は血だらけになり、ニワトリはグッタリと横たわって居ました。『腹が減ってニワトリを食い殺したな!』と家の主人は怒って居ましたが、その時の愛犬ジロの気持ちは、『ち、違うんだよ、ちょっと遊んでただけだよ』と、、、。
物凄い剣幕に逃げ出すと、家の主人は夜が明けてから朝一で保健所に連絡をした様子で、ちょうどまた同じ家の前に戻って来た時、その家の主人は、『またニワトリを食べに戻って来たな!こっちですよ』と保健所の職員に声を掛けました。
愛犬ジロは、『違うよ、家に帰りたいだけだよ』と、、、。2人の職員が、首を押さえつける輪っかの付いた棒の様なものを持って近づいて来ました。若い方の職員が捕まえようと近づいて来たので、吠えて捕まらない様にした後、その職員は、『ちょっと怖いので変わって貰えますか?』と言って、ベテラン職員に変わり、2人とも緊張した怖い顔をしていました。
しかしそのベテラン職員は、いっぺんして、物凄く笑顔になり、『お腹すいてるだろ?おいで〜』と言ってしゃがみ込み、目の前に白いお団子を置きました。愛犬ジロは、『ちょうどお腹がすいてきたところだったんだ〜』『このおじさんは、本当は優しい人なんだなぁ』と、、、。優しい笑顔で、『ほら、いい子だ、食べなさい。』と、。。
ジロは小さな白いお団子を口にした後、『あれ!おかしいなぁびっくりマーク️体が動かなくなっていく』、、、。そうです、毒饅頭を食べさせられたのです。
僕の夢の中の愛犬ジロの気持ちや、感覚は現実のものでした。後で両親に愛犬ジロの事を尋ねたのですが、他の人に飼ってもらう事にしたとか、僕を傷つけない様にウソをついたのですが、僕は泣きながら、ウソだ!本当の事を知ってるよと、言ったら、両親は誰に聞いたんだ、とびっくりしていました。
今まで4匹ほど犬を飼いましたが、後にも先にも、あれ程リアルに犬の見た景色や、感情を感じた事は、その一度きりでした。
メールを書いていて当時を思い出し、とても悲しくなってしまいました。
敏太郎先生、お身体をお大事にして、愛犬との生活を楽しんで下さい。
(アトラスラジオ・リスナー投稿 中村さん 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部 犬物語)
画像 Kathrynne / PIXABAY
『虹の橋』伝説
伝説によると、私たちが愛した動物たちが現世に別れを告げると、最後の力を振りしぼって『虹の橋(レインボーブリッジ)』を渡ります。
この橋の向こう側には、仲間たちと走ったり、遊んだり、無邪気に楽しむことができる牧草地や丘など、全ての生き物が心地よく過ごせる広大な土地がそこにあり・・・そして、豊富な食べ物、水、太陽の光があると言われています。
さらに伝説によると、生前に病気、事故、または重篤なケガで苦しい思いをした動物たちは完全に回復し、喜びにあふれているそうです。ただし時々、飼い主のことを思い出して感傷的になることもありますが、私たちが愛した動物たちはとても幸せな来世を過ごしています。
そして、いつか私たちが虹の橋を渡るその日が来るとき、かつて愛した動物たちはそこで私たちに会ったとたん、喜びの声をあげてキスの嵐を浴びせ、その後は二度と離れることはないでしょう・・・