
今月16日、2月半ばにアメリカ戦闘機に撃墜された未確認飛行物体3機についてバイデン大統領が国民に向けて演説を行ったが、その内容が注目を集めているようだ。
2月10日にアラスカ州上空で、11日にカナダのユーコン準州で、そして12日にはミシガン州ヒューロン湖上空で同様の飛翔体が確認され、いずれも撃墜された。
バイデン大統領はこの3つの物体については「我々はまだこれらの物体が何であったか正確に分かっていないが、今のところ、それらが中国のスパイ気球計画に関連していたこと、あるいは他の国からの監視装置であったことを示すものはない」と明言。更に情報機関が「気象やその他の科学的研究を行う民間企業や研究機関に関連する気球である可能性が高い」と考えているという報告を繰り返した。
一方で、大統領は国民の懸念を払拭するためにも「上空の物体の数が突然増えたという証拠はない」と強調。「レーダー能力を高めるためにとった措置により、部分的により多くの物体を見ることができるようになっただけだ」との見解を示した。
バイデン大統領はさらに、これらの飛行物体にどう対処し、それが悪意あるものであるかどうかを見分けるための「より明確なルール」を開発するよう大統領のチームに指示したと述べている。さらにバイデン大統領は、「私の国家安全保障アドバイザーに、領空内の物体に安全かつ効果的に対処できるようにするための政府全体の取り組みを指揮するよう指示した」と明かしている。
制定される予定のステップの中には「無人飛行物体のより良い目録」の確立、UAPを検出する能力の向上、そしてこれらの物体に関する「規則と規制」の更新が含まれている。そしてアントニー・ブリンケン国務長官が「このほとんど規制されていない空間において、世界共通の規範を確立するための努力をリードする」と発言。最後にここ数週間の奇妙な報告の発端となった中国のスパイ気球について再検討するとして、演説を締めくくった。
残念ながら、16日の大統領の演説では10日から12日にかけて確認された物体の性質については明らかにされなかったが、後日実際に残骸が回収された時でないと解決されないだろう、という見方がアメリカ国内でも強いようだ。映画「インディペンデンス・デイ」での演説シーンを期待していたUFOファンにとってはいささか失望する結果となったかもしれないが、今後の報告に期待して前向きに考えている人が多かったようだ。
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像: The White House on Visualhunt.com