今にも地球を襲うかもしれない小惑星を探し出す、新たなシステム「NEOMIR」
- 2023/2/28
- UFO, UFO・UMA, 宇宙人
- NEOMIR, チェリャビンスク隕石

2月はじめにアメリカ各地の上空で謎の気球が発見され、その後もカナダや欧州等複数の国で確認されるに至った謎の気球騒動。だが、上空には気球よりも恐ろしいものが存在していると専門家は語る。それは地球の周囲に存在している無数の隕石だ。
2013年、ロシア領空に突入した幅19メートルのチェリャビンスク隕石は非常に広範囲に被害をもたらし、多くの負傷者も出た。チェリャビンスク隕石の衝撃波は実に広島原爆35個分に相当する威力だったとされている。
この被害を完全に防ぐ事は難しくても、もし事前に予想する事が出来ていたのならば、人々が地下に避難するなどして負傷者数を少なくする事が出来たかもしれない。だが、夜中ならともかく太陽の出ている日中はその光によって接近する隕石や小惑星が隠れてしまう。
隕石や小惑星の大気圏突入のような事象が発生しても人々が安全に過ごせるように、事前警告を与えるため、赤外線を用いた「Near Earth Object Mission」という新たなシステムが研究されている。頭文字を獲ってNEOMIRと呼ばれるこのシステムは、今後10年以内を目処に実装が計画されている、太陽の方向から地球に向かってくるものを監視するシステムだ。
欧州宇宙機関の惑星防衛の責任者であるリチャード・モイスル氏はNEOMIRについて次のように述べている。
「チェリャビンスク流星のような大きさの小惑星は、およそ50年から100年ごとに地球に衝突します。衝撃波やそれに付随する現象による負傷も、予めその規模と影響を人々に知らせることができれば防ぐことができるでしょう。事前警告があれば、自治体も人々に窓やガラスに近づかないように市民に通告することができます」
また、ワシントンDCのカーネギー科学研究所のスコット・シェパード氏はサイエンス誌にて「現在ますます多くのNear Earth Objects(地球近傍天体)が発見されている」と説明。従来の望遠鏡は太陽の眩しさを避けるために地球から離れた方向を向いていたが、新しい観測装置であるNEOMIRは反対方向を向いているため、専門家も以前には見られなかった小惑星をとらえることができるようになったと語る。
新たなシステムNEOMIRは、宇宙からやってくる脅威から人類を守る画期的な装置になるのかもしれない。
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 PIXABAY