
オレオレ詐欺や還付金詐欺など、電話がきっかけで起きる詐欺は複数あるが、海外では更に悪質な、被害者が犯罪をそそのかされるケースが現れた。
先日、ロシアに住む48歳の男性が、「ロシア最大の銀行の代表者」を名乗る男性から1本の電話を受けた。
その人物は男性に「あなたの口座で出入金に疑わしい動きがある」と告げ、財産を守るためにすべての資金を他の口座に移す必要がある、と指示。さらに「男性の貯金を盗もうとする犯人を止めるには、地元の銀行の支店に火炎瓶で火をつけるしかない」と放火を唆したのだ。
明らかに詐欺の範疇を超えた犯罪教唆にも関わらず、男性は電話越しに告げられた指示に従い、本当に放火を行ってしまった。
なお、この事実が判明したのは、警察が放火犯として男性を逮捕してからだった。
男性があからさまに怪しい電話を信じてしまった背景には、政情不安定なロシア国内の事情があるのかもしれない。しかしこの不幸な男性は、放火を唆された上に貯金を失い、更に告訴される可能性が高い。
一方で男性を凶行に走らせた詐欺師は行方がつかめておらず、このままでは罪を問われない可能性がある。早期の犯人逮捕を願うばかりである。
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 Gerd Altmann / PIXABAY
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