イタリアで発見された謎の遺体「ルグナーノの吸血鬼」

吸血鬼は、現在でこそホラー作品に登場するモンスターとみなされているが、昔は実在する怪物だと考えられており、当事の人々にとっては恐怖の対象であった。事実、欧州の古い墓からは吸血鬼とみなされた人の死体が蘇らないよう、特別な措置を取っていた証拠が出てきている。

2018年、イタリアのポッジョ・グラミニャーノの遺跡で、考古学者が「口に木のブロックをくわえた幼い子ども」の墓を掘り当てた。当時、この遺体は「腐敗の進行が遅いなどの理由から吸血鬼と見なされた子どもの遺体」だと推測され、発見場所から「ルグナーノの吸血鬼」と呼ばれることとなった。

しかし現在、考古学者たちは、この子供が吸血鬼と見なされていたという説に疑問を投げかけている。




実はこの遺跡からは他にも1600年前の子供の遺骨など複数が発見されており、その中には「手足を石で固定された遺体」もあったのだ。そのため、この措置は子供が “レブナント(revenant、不死者のこと)”として戻ってくるのを防ぐためのものだったのではないか、と考えられるようになった。

デイヴィッド・ソーレン教授はライブ・サイエンス誌に対し、次のように語っている。

「昔は亡霊や邪悪な魔女が死者の体や魂を利用するかもしれないと本当に信じられており、悪霊や不思議な力に対する恐怖が非常に強かったのです。死者の口に石を入れたり、遺体の上に乗せて重くすることは、邪悪な霊の影響を受けないようにするため。コミュニティを守るために、災いを避ける力があるものと見なされていたのです」

(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 https://twitter.com/LiveScience

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