
光に誘われて小さな羽を羽ばたかせて飛ぶ、そんな絵本に出てくる妖精のような小型ロボットが開発された。
タンペレ大学の研究チームが開発したこのロボットの名前はFAIRY(Flying Aero-robots based on Light Responsive Materials Assembly)という。
このロボットはタンポポの種が風に乗って浮かぶ様子にヒントを得て、厚さ14ミクロンの小さなフィラメントを光で作動するアクチュエーターにつないだものである。光を当てるとフィラメントが動き、さまざまな形状に変化する。毛先が特定の形状に展開されると、風だけで飛行することができる。
【浮遊する妖精ドローン】1/2
タンペレ大学@HaoZeng_Group の研究者@JianfengYang27 らはタンポポの種子から想を得た光で制御する風分散ソフトアクチュエータ搭載の高分子集合体ロボットを開発。
《Dandelion-Inspired, Wind-Dispersed Polymer-Assembly Controlled by Light》pic.twitter.com/eSkUZNzS0d— Iwahori Toshiki (@iw_toshiki) January 30, 2023
開発に携わったタンペレ大学のロボット工学者Hao Zeng氏は、FAIRYについて次のように語る。
「FAIRYは、レーザー光線やLEDなどの光源から動力を得て、制御することができます。まるでSF作品の中に出てくるロボットのように思えるかもしれませんが、我々の実証実験では我々が開発したロボットが紛れもなくユニークで、全く新しいカテゴリーの軽量飛行装置となりうる可能性が出ています」
あまりに小さな飛行ロボットFAIRYの活用法としては、近年欧州で個体数の激減が問題視されているミツバチなどの花粉媒介昆虫の代替として貢献することが期待されている。既に人工授粉に適した現実的なアプリケーションへの転用が計画されており、近い将来農家はこの「機械の妖精」で作物の受粉を行うようになるのかもしれない。
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)