まるでターミネーター2『T-1000』!融解と変形を可能にするロボット開発に成功
- 2023/2/2
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- T-1000, カーネギーメロン大学, ガリウム, シュワルツェネッガー, ターミネーター

シュワルツェネッガーが主演したアクション映画、ターミネーター・シリーズの2作目では、液体金属で変形と変身を可能とする体を持つT-1000が登場した。
何にでも変形できてしまうため優れた再生能力と耐久性を持ち、『ターミネーター2』では強敵として立ちふさがった。そんなT-1000の印象的なシーンの一つが、進路を阻む檻に対してまっすぐ進んで格子をすり抜けてしまうシーンだ。これは改めてT-1000がどのようにも変形できる事を強調するシーンと言えるだろう。
そんなT-1000が現実のものとなったかのようなロボットが科学者によって制作され、話題になっている。
先日、中国とアメリカの合同研究チームが発表したのは小さな白いロボット。消しゴムや粘土で作られた小さな人形のようにも見えるが、磁石で動く事ができ、体を溶かすことで檻の中から抜け出すことを可能としている。もちろん、檻の外に出たら再び姿形は元に戻ってしまう。
このロボットは磁性体であるネオジム、ホウ素、鉄と液体ガリウムを組み合わせ、人型に固化させたものである。ガリウムは融点が摂氏29.8度と人間の体温よりも低く、手で持っただけでも液体になるという特徴を持っており、前述の成分を混ぜ合わせた事で高い強度と優れた制御性を持つ「Magnetoactive phase transitional matter(MPTM/磁気活性相転移物質)」という材料の開発に成功した。
アメリカのカーネギーメロン大学で機械工学を専門とし、今回の主任研究員であるカーメル・マジディ氏は、「MPTMには2つの能力があります。1つは、磁性粒子が材料を交番磁場に反応させることで、誘導によって材料を加熱し、相変化を起こさせることができるのです。しかし、磁性粒子は、ロボットに機動性を与え、磁場に反応して動くことができるようにするのです」と語っている。
研究チームは今後、このロボットを誤飲した物体を体外へ排出するような医療分野や、狭い所に侵入していける工業用小型ロボットとして活用できるのではないか、と意欲を燃やす。まだ課題は多くあるだろうが、SF映画に出て来たようなロボットが現実世界に登場する日もそう遠くないのかもしれない。
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像&動画 euronews / YouTube
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