膨大な略奪品を隠した場所を示す「ナチスの日記」、偽物と認定!

かつて第二次世界大戦中、欧州各地に進出したナチスの軍人達はその地で多くの宝飾品や金銭を略奪したと言われている。ロシアの宮殿から失われた「琥珀の間」のパネルなどが代表的な例だろう。

ナチスはこれらの略奪品の移送方法などを記録していたと言われており、記録を見つけて精査する事ができれば失われた略奪品の多くを発見できるのでは、と考えられていた。そのため、これらの宝は現代の埋蔵金とも言われている。

さて、2020年6月にとある資料が発見された。それはポーランド全土に隠された大量の略奪品の隠し場所が明記された「ナチスの日記」と呼ばれる資料だった。日記によればミンコフスキー村にある18世紀の宮殿の敷地内に11トンという途方もない量の金塊が隠されているそうで、多くの人々が集まって敷地内の捜索が実際に行われた。

だが、調査が行われた後も一向に痕跡すら見つからないことから、ミンコフスキーの宝探しを主導してきたシレジアン・ブリッジ財団が、ポーランドの団体「ディスカバラー」に所属する歴史家たちにこの日記の調査を依頼することにした。その結果、驚くべき真実が明らかになったのである。




専門家によると、この9ページの「日誌」は実際には「20世紀初頭のほぼ白紙の会計帳簿」に書かれたものであり、「戦争日記」と「財宝の隠し場所の暴露」の2部構成になっている。その文章を調べてみると、なんと「日記に書かれていた出来事が1945年にニーダーシレジアから逃亡したドイツ難民の記録を丸ごと書き写したもの」である事が判明した。

しかも、この記録を記した本は第二次世界大戦終結から数十年経つまで出版されなかった、にも関わらず、日記に含まれる描写が「その本の内容を一言一句書き写したもの」であることから、この日記は明らかに近年作成された真っ赤な偽物である可能性が極めて高くなった。

分析に参加した歴史家のウチュカス・オルリック氏はポーランドのメディアに対し「この日記が早くとも1970年代に無名の人物によって書かれた可能性がある」と述べている。なお、分析を依頼したシレジアン・ブリッジ財団はこのグループの評価に同意していない様子とのこと。果たして、ナチスの財宝は本当に存在するのか。今後の展開が気になる所だ。

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 BullionVault on Visualhunt

 

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