インド洋の底に大量の歯が…古代の巨大なサメの墓場が発見された!

オーストラリアの研究者がインド洋の深海に何千ものサメの歯が広がっているのを発見、まるで古代のサメの墓場だとして話題になっている。

10月、オーストラリアの国立科学機関である英連邦科学産業研究機構(CSIRO)が運営する全長94メートルの調査船RV Investigatorがインドネシア南端で1カ月間の調査を行った。26回に及ぶ航海の最終日、研究者たちは生物多様性調査の一環としてトロール網を深海に沈めたところ、約5600キロメートルの海底からなんと網一杯分の数百のサメの歯が引き上げられた。

ビクトリア博物館研究所のシニアコレクションマネージャー、ダイアン・ブレイ氏が、Live Scienceに語ったところによると、最初は網にかかっていたのは大量の泥だったという。魚の姿が見えなかったため、ひとまず泥を落としてみたところ、なんと泥の中から大量のサメの歯が出て来たという。

「現代のアオザメやホホジロザメの歯だけでなく、巨大なメガロドンの直系の祖先のような古代のサメの歯の化石も見つかりました。一部に海底のマンガン結節が生じていましたが、殆どの歯が良好な状態で保存されていました。バクテリアが歯の有機物を全て消費してしまい、歯根は無くなっていましたが、エナメル質がちゃんと残っていました」

歯の数はなんとサメ750匹分にも相当する量だった。ブレイ氏はなぜこの海域にこれほど多くの歯が蓄積されたのか完全にはわからないが、そこで何百匹ものサメが死んだとは考えられない、と述べている。

また、イギリスのシェフィールド大学のガレス・J・フレイザー講師は「人間とは異なり、サメには無限の歯があり、『ベルトコンベアのように』使い古された歯が交換される」と説明。そこから歯が発見された海域には、古代のサメのコミュニティがあった可能性が高いと語る。




「歯は、外洋ではなく、海淵平野で発見されました。ここは海山に覆われた古代の礁の一部であり、大昔に多くのサメがこの地域を泳いでおり、使い古した歯を落としたのではないかと考えられます」とフレイザー氏は語っている。

なお、今回の発見は海底に存在する大量の歯の表層の一部をすくい上げただけに過ぎない、と専門家は考えているそう。今後もこの海域の調査を行う事で、古代のサメの更なる生態が明らかになるのかもしれない。

(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 Simone Moreira / PIXABAY

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