火星「塵の悪魔」(ダストデビル)の音を探査機が初めて録音に成功

現在火星にはNASAの複数の探査機が送り込まれているが、探査機の記録した画像や映像には奇妙な現象も記録されている。そのうちの一つが「ダストデビル(微粒子の渦)」だ。

この現象は地球上でも起きるもので、例えば日本でも乾燥した日のグラウンドに小規模な竜巻が発生する様子が確認される事がある。火星では地球同様のつむじ風程度の大きさから、なんと竜巻すら超える非常に巨大なものも発生している。事実、高さ8000メートルにも及ぶ超巨大なダストデビルが観測されたことも。

そんな火星のダストデビル(微粒子の渦)が、NASAの火星探査機パーサヴィアランスの上を旋回する音が初めて記録された。




また興味深いことに、火星のダストデビルは渦の端よりも中心部に物質が集中していることが観察されている。この渦の奇妙さについて、主任科学者のナオミ・マードック氏は「このダストデビルは火星でも珍しいものにあたる」としており、恐らくこの渦がまだ形成の初期段階であることに起因するのではないか、と推測している。

探査機が収集した一連の情報をもとに、研究者たちは観測されたダストデビルの高さが約115メートル、幅が約24メートルと推定。また、パーサヴィアランスに遭遇したときの速度は秒速約5メートルであったという。

パーサヴィアランスはこれまでにも同様の状況で90個のダストデビルを検知しているが、マイクは167秒の長さまでしか録音できないため、実際に録音されたのは今回が初めてである。今後、火星への有人探査が計画されているが、これらの記録は人や探査機が火星に着陸できる環境かどうかを確認するために役立つだろう、と研究者は語っている。

(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 Kevin M. Gill on VisualHunt.com

 

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