
『虹の橋』伝説
伝説によると、私たちが愛した動物たちが現世に別れを告げると、最後の力を振りしぼって『虹の橋(レインボーブリッジ)』を渡ります。
この橋の向こう側には、仲間たちと走ったり、遊んだり、無邪気に楽しむことができる牧草地や丘など、全ての生き物が心地よく過ごせる広大な土地がそこにあり・・・そして、豊富な食べ物、水、太陽の光があると言われています。
さらに伝説によると、生前に病気、事故、または重篤なケガで苦しい思いをした動物たちは完全に回復し、喜びにあふれているそうです。ただし時々、飼い主のことを思い出して感傷的になることもありますが、私たちが愛した動物たちはとても幸せな来世を過ごしています。
そして、いつか私たちが虹の橋を渡るその日が来るとき、かつて愛した動物たちはそこで私たちに会ったとたん、喜びの声をあげてキスの嵐を浴びせ、その後は二度と離れることはないでしょう・・・
約12年の間、いつもそばにいてくれた相棒のラブラドールレトリバー、ソニー君が虹の橋を渡りました。
最期は歩けなくなっていましたが、直前まで食欲があり、生きる希望を失くさない立派な犬でした。さよならの瞬間は私の腕の中で旅立ったので、哀しいけれどそこはよかったと思っています。
ソニー君との不思議な体験はたくさんあるのですが、今回書くのは旅立ってから1年半後の春のお彼岸のころの出来事です。
うっすらと空が明るくなってくる黎明のころ、私が寝ているとハアハアハアという犬の息使いと床を跳ね歩くような気配がして目を覚ましました。
ふと、部屋の掃き出し窓のほうを見ると、そこにはキラキラとした小さな光がたくさんうごめいていてその小さな光たちはまるで生前のソニー君の輪郭の犬の形をしていました。
その光の辺りは空気が少し白っぽくモヤっぽくもなっていました。光の躍動に合わせるように息使いも感じました。
目を覚ましたばかりで明確な意識はなかったのですが、私は声を上げて「ソニー君、来てくれたんだね」「ありがとね」と繰り返し、犬の形をしたキラキラに話かけながらいつのまにかまた寝てしまいました。
その後、光がどうなったのかわかりません。でも、きっとソニー君が会いに来てくれたのだと思っています。
(アトラスラジオ・リスナー投稿 スパイラルローズさん 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部 犬物語)
画像 mediasloan / PIXABAY