
人が思考しただけでコンピューターを操作できるようにする技術、ニューラリンク(Neuralink)の研究は、近年注目を集めている技術だ。
安全性などの課題も多いが、ロックイン症候群から半身不随に至るまで、さまざまな難病を抱える人々の生活を改善する上で大きな前進をもたらす可能性を持つ技術として注目されている。
ニューラリンク技術の開発に力を入れている企業は多く、テスラ社CEOのイーロン・マスク氏もその一人だ。彼は11月末に行われたイベントで、脳だけを使って猿が「タイピング」している映像を披露した。
そこでは2匹のサルが仮想キーボードをタイプして、スクリーン上にメッセージを綴る様子が映し出されている。物理的なキーボードは存在せず、サルが自ら言葉を綴っているのではなくどのキーを「押す」かという認識を脳内で行い、コンピューターに出力されるという一連の様子が記録されていた。そのため、動物実験の段階ではあるがこの技術が機能することは確かだといえるのだ。
そしてマスク氏は、今後6カ月以内に被験者がニューラリンク・インターフェースを装備するために必要な許可を取得したいと考えている旨を述べた。つまり、いよいよ猿ではなく人間での実証実験に踏み切る段階に来ていると明らかにしたのである。
この研究の実用的な目的のひとつに、「目の見えない人の視力を回復させること」がある。これはその対象者が一度も視力による認識ができなかったとしても達成可能なことだと言われている。
また、将来的には障害を回避するだけでなく、障害を回復したり人体内の既存の感覚や機能を強化することも可能になるかもしれないと言われている。しかし、この技術がそこまで進歩できるのからどれほどの時間がかかるかは、まだわかっていない。
新たな技術「ニューラリンク」は実用化されるのか、今後が気になる。
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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