50%以上のロシア人は「魔女が人々に呪いや魔法をかけている」と信用

とんがり帽子を被り箒で空を飛ぶ魔女は海外のモンスターの中でも定番だ。人に呪いや魔法をかける魔女の姿は今では言い伝えの中の存在のように思えるかもしれないが、世界に目を向けると今でも魔女の存在を信じている国も少なくない。

その多くはアフリカなどの魔術や呪術が身近な国なのだが、なんと大国ロシアでも人口の半数以上が「悪いことを引き起こす呪いや魔法をかける」魔女を信じていることが、新たな調査で明らかになったのである。

「世界各地の魔術信仰」と題されているこの研究は、PLOS ONE誌に掲載されたものである。それによると、調査した95カ国の成人の平均40%が人を操ったり呪いをかける「邪眼」や「魔女」の存在を信じており、ロシアも56%と他の国と比較して平均より信じている人が多いという結果になった。

一方でアメリカは16%強と、調査対象国の中で最下位となった。

この研究の著者であるガースマン氏によれば、この調査結果は世界中で呪術が信じられている本当の割合を過小評価している可能性があるという。また、国によって魔女や魔術の存在を信じる度合いが異なる理由については「統治の質が低い」国に住む人々は、魔女を恐れる傾向が強いと結論付けている。




ガースマン氏はニューズウィーク誌のインタビューにこう語っている。

「私の研究の重要な発見の一つは、魔女信仰は『社会制度が弱い国』で実質的に多く見られるということです。歴史的にみて、魔術信仰は社会的結束を強化し、社会的機能を行う代替メカニズムがない社会で秩序を維持するために必用な存在であったと考えられます。魔女裁判は私の母国であるイギリスでは過ぎ去った時代を連想させるものですが、世界にはまだ女性が魔女の罪に問われ、処罰される地域もあります。たとえばガーナでは、年配の女性が村で起きた悲劇的な出来事の責任を負わされたり告発され、社会から追放されるといった迫害を受けており、なんとか生き延びた何百人もの女性が、いわゆる『魔女キャンプ』で暮らしています。私の研究からは、呪術信仰が社会制度が弱い国で実質的に多く見られるという結論が導き出されました」

近代的な大国であるロシアで魔女を信じる人が多いことに驚く人もいるかもしれないが、ガースマン氏は「ロシアがどのような国であるかを考えれば、それほど驚くべきことではない」と語る。

「ロシアは腐敗した裁判所や警察、機能不全の中央・地方政府など、壊れた制度で悪名高い国です。また、社会的セーフティネットが非常に薄く、(病気や貧困などの)不利な衝撃に弱い人々の割合が高いため、自分の身に起きた不幸を説明し、理解ようとするのに魔術などの超自然的な力へ結論を求めがちな傾向がある国とも言えます」とガースマン氏は語る。

ウクライナへの軍事侵攻を強めるロシアでは、ロシア正教がプーチン大統領を主席エクソシストに認定したり、軍事侵攻は「悪魔祓い」であるとみなす動きがみられた。こういった驚きのロシア側の動きも、もしかしたら魔女や魔術を信じる人の多い国民性から来ていたのかもしれない?

(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 Peggy und Marco Lachmann-Anke / PIXABAY

 

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