創作の世界ではプレイヤーを実質的な「死」に追いやるバーチャル・リアリティゲームが登場する。

あまりに現実と見分けのつかない仮想現実で、死亡シーンに直面するとプレイヤーの脳が勘違いして実際に死亡してしまうとか、仮想現実への接続を急に切断されてしまったことでプレイヤーの意識が現実に戻ってこないとか、描かれ方は様々だ。

現在、PSVRやFacebookのMeta Quest 2などバーチャルリアリティ・ヘッドセットが続々出てきており、仮想現実の描写も進歩していっている。さすがに創作の世界に登場する『臨場感や現実感を感じられる仮想現実』にはまだ遠いが、それでも技術は日々進歩していることから、近いうちに現実世界と遜色ないVRが出てくるのではないかと考えられている。

だが先日、まるで創作の中に登場するVRのように「ゲーム内で死亡するとプレイヤーも死亡する」VRヘッドセットが発表されて話題になっている。

このヘッドセットを考案したのは初代Oculus Riftヘッドセットを開発したパルマー・ラッキー氏。彼は、ゲーム内で死亡すると文字通り装着者が「終了」する新しいヘッドセットを開発したと発表した。この装置には爆発物が搭載されており、特定の周波数で画面が赤く点滅すると爆発し、装着者の脳を破壊して即死させるというものだ。

どこかで聞いたことがある、と思った人もいるかもしれないが、このヘッドセットは人気ライトノベル『ソードアート・オンライン』に登場するヘッドセット『ナーヴギア』をオマージュして開発されたものだという。




この装置を考案した経緯について、ラッキー氏は次のように語る。

「現実の生活と仮想のアバターを結びつけるというアイデアは、いつも私を魅了します。精巧なグラフィックはゲームをよりリアルに見せるかもしれませんが、深刻な結果の脅威こそが何よりもゲームをリアルに感じさせることができるのです」

幸いにも、ラッキー氏はこの機構が「あまりにも不安定」であることと、今のところこのヘッドセットでプレイするコンセプトに見合うゲームがないことから、実際にヘッドセットを世に出す予定はないそうだ。

「このヘッドセットは、現時点においてはゲームデザインにおける未踏の道を思い起こさせる、オフィスアートの一片に過ぎないでしょう」と彼は語っている。

ゲームオーバーになると文字通り死んでしまう。そんなVRゲームがあったら、あなたはプレイする?

(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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