
日本のお茶の間を震え上がらせた心霊番組といえば「あなたの知らない世界」などが有名だろう。現在でもバラエティ番組などで特番が組まれる事はあるものの、その回数はめっきり減っている。
海外でも多くの人の記憶に残る心霊番組が存在した。その一つがBBCが1992年10月31日に放送した「ゴースト・ウォッチ(Ghostwatch)」だ。現在でもイギリスのテレビで放送された番組の中で最も悪名高い番組の一つとして数えられることが多いという。
この番組は時代を先取りした「生放送」の(そしてフェイクも混じった)ゴーストハンティング番組で、構成はスタジオパートと現場からの生中継に大きく分かれていた。スタジオでは視聴者からの電話を受け付けたり、専門家が見解を述べる模様をBBCの人気司会者マイケル・パーキンソン氏とマイク・グリーン氏がMCを担当してイギリス国内のお茶の間に伝えていた。
現場中継パートは俳優のクレイグ・チャールズ氏と有名司会者のサラ・グリーン氏が担当し、ポルターガイスト現象が多発するという家に突撃。その家に住む母子にインタビューする様子を生中継していた。
現代でもここまで生中継に重きをおいた心霊番組はそうないが、当時のイギリスでは画期的な試みだった。
生中継という形式で、カメラの前で起きていることをそのまま伝えている番組構成に、実際に幽霊らしきものが写り込んだり、少女が霊に憑依される様子が放送され、最後にはスタジオで怪現象まで起きたことから若い視聴者が怖がり、多くの苦情が寄せられたという。
勿論、この番組の裏にはある程度の台本もあったが、視聴者には知る由もないことだった。
今「ゴースウォッチ(Ghostwatch)」ないしはこれに類似した番組が放送されたとしたら、どうなったろうか。話題になるか、局のコンプライアンス違反と問題視されて放送されなくなるか・・・。
現代の日本では後者になりそうだが、イギリス国内でも似たようなものではないかと考えられている。今日に至っても、この番組は(少なくともイギリス国内では)一度も再放送されていないそうだ。
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)