「ミステリーサークルを作らないで!」農家から悲壮な声が

ある日、広大な畑の一部に奇妙な図形が描き出される「ミステリーサークル」。UFOのしわざや宇宙人からのメッセージか、と言われている。もちろん畑を大きなキャンバスに見立てたイタズラにすぎないとも言われているが、描き出される図形は近年はかなり複雑になっているため、人為的なものにせよ超常現象にせよ非常に興味深いものとなっている。

だが、ミステリーサークルを描かれてしまう畑の持ち主、農家の人々にとってはサークルは決して愉快なものとは言えないようだ。ガーディアン紙が発表した最新の調査結果によると、過去5年間イギリス国内で作られたミステリーサークルによって、実にサッカー場40面分以上の作物が破壊され、被害総額が約32000ドル(約460万円)に及ぶことが判明している。

倒された大麦と小麦でできるパンは30万個分に相当し、菜種は600リットルのキャノーラ油になった量だという。

2021年7月に自身の小麦畑がミステリーサークルの被害に遭った農家のジョージ・ホスフォード氏は。サークルによって実に3~4トンの穀物が一掃されてしまったと述べている。そして作物の損失と、作物を育てるために使った肥料で1000ドル強(約144000円)のコストがかかったと指摘。




作物を取り除いた土についても同じで、すぐに農地として使えなくなるわけではないが、ある程度まで押し固めると「土や石を削ってしまい、農作業機械が壊れてしまう」ため、収穫が不可能になってしまうという。特に今年はウクライナ戦争による穀物価格の高騰を受け、ミステリーサークルによる経済的なダメージはさらに大きくなっているそう。

このように農家にとってかなりの打撃となるミステリーサークルだが、ホスフォード氏はサークルに関して保険金を請求するのはコストがかかりすぎることもあって、警察には報告しなかったと語る。これは他の農家でも当てはまるようで、ガーディアン紙によると国内でよくミステリーサークルが作られるイギリスのウィルトシャー郡では、過去2年間に15のサークルが出現したものの当局に通報した農家はわずか3件であったという。

ミステリーサークルによる農業被害は軽視できない規模なのにも関わらず、あまり問題視される事はない。それどころかミステリーサークルは平然と作成され続けているため、「サークルメーカー」らによる被害は今後もイギリス国内の生産者にとっては厄介な問題となりそうだ。

Ancient Aliens: Secret Crop Circle Messages (Season 10) | History

(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 HISTORY / YouTube

 

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