
ここ数年、日本国内ではペットの大型爬虫類の脱走がニュースになることが多々あった。
ペットとはいえ、大型の爬虫類は人間に危害を加える可能性も考えられるため、警戒するのは致し方ない所がある。海外でも「飼っていたニシキヘビが脱走した」というチラシが各家庭に投函されるという話があったのだが、この事件は奇妙な展開を見せた。
9月初め、イギリスのグランジという村で「19歳のビルマニシキヘビ」が逃げ出したということを知らせるチラシが地域社会の様々な場所に突然現れた。
貼り紙や家々に投函されたチラシにはその蛇が「水槽から逃げ出した」もので「我が家の大切な一員」だという説明と共に、行方不明の蛇の居場所を突き止める手助けや有力な情報を提供した人には、かなり高額な報奨金が支払われるという内容が記されていた。
一見ペットを探すチラシにも見えるが、実はこの呼びかけが村のある住民を陥れるデマであることが判明したのである。
このチラシに書かれていた連絡先は実際に村に住むとある女性のものだったが、女性はヘビなど飼っていなかった。何者かが彼女の電話番号を悪用し、チラシに明記したため当然、無関係な彼女の元に問い合わせの電話が殺到した。
Grange-over-Sands Burmese Python escaped from tankhttps://t.co/PY3JdUczSE pic.twitter.com/2qpvqGqnnX
— airborne assault services (@Wayne57072607) September 12, 2022
「ヒステリックになってパニックになった人たちが電話してきたのよ」と彼女は嘆いている。もしかしたら、連絡先に間違いがあった可能性も考えられるが、「狭い町で私の番号とここまで一致する電話番号が他にもあるとは考えにくい」と女性は語っている。
彼女の見解について、イギリスの国立外来動物救助サービスのマイク・ポッツ氏も「本当にペットが迷子になった飼い主が、同じ町の人の番号を間違えて書いた後にどんな呼びかけにも応じない、こんな行動をとるはずがない 」と同意を見せている。
また同団体は、チラシに掲載されているニシキヘビの写真が実はアメリカで撮影された写真であることも見破り、完全に風評であると判断したと述べている。
このデマの犠牲になった女性は、なぜ自分の電話番号がチラシに記載されていたのかさっぱり理由が解らないと語る。ひとまずこのウソを止めるために目についた貼り紙にメッセージを走り書きしたそうだが、今のところ騒ぎが収まったり電話が鳴り止む様子はないとのことである。
とはいえ、このようにメディアに取り上げられたことで騒動が沈静化してくれれば、と祈っているそうだ。
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)