ネイティブアメリカン伝説の都市「シン・アウ・アヴ」の謎
- 2022/9/12
- オーパーツ, 古文書, 呪術・魔法, 歴史上の事件
- サザン・パイユート族, デス・バレー, 死者の王国シン・アウ・アヴ

アメリカ・カリフォルニア州に存在するデス・バレーは地球上で最も高い気温が測定された乾燥地帯であるが、同時に非常に奇妙な伝説が存在する場所でもある。
現地の先住民族であるサザン・パイユート族に古くから伝わる伝説では、デス・バレーの麓にある洞窟に「死者の王国シン・アウ・アヴ(shin-au-av)」へ繋がる道があると言われていた。昔、亡くなった妻と再会したいと思った酋長が、洞窟を探検して隠されていた死者の国への道を見つけ出したという。
これだけであれば、各国に存在する黄泉の国にまつわる伝説かと思われていたのだが、なんとこの話にはモデルがあり、地下に謎の都市遺跡が存在していた!?という説が出て来て注目を集めることとなった。
問題の都市をについて初めて言及したのはハワード・E・ヒルという人物。彼は1947年にロサンゼルス交通クラブで行われた講演にて、「デス・バレーで先住民族の伝説に登場する場所のモデルになったと思われる遺跡を発見した」と発表したのである。
なお、その洞窟の壁には奇妙な象形文字が刻まれており、「2.4~2.7メートルもの身長のミイラ化した死体」があったと語った。
発見者はラッセルとダニエル・S・ボビー博士の2人組で、彼らはこの遺跡に足を踏み入れて都市遺跡やミイラを見たと証言。巨大なミイラは羊の皮に似た生地でできた長いジャケットとズボンを着ており、それは「今日では知られていない動物」の毛皮を用いたものだと述べたのだ。
そしてミイラと同時に、氷河期の象やサーベルタイガー等の絶滅して久しい生き物の骨が多数発見されたと証言している。また、謎の地下遺跡はネイティブ・アメリカンと古代エジプトの図像を混ぜたような碑文で飾られていたそうで、かなり古い時代のものである事が伺えたそうだ。
北米大陸の先史文明というとかなり興味深いが、同時に北アメリカ大陸に人類が到達した時期から考えると、いつの時代のものなのか、なにより本当に存在する遺跡なのか疑わしい点も出てくる。実際、当時の考古学者たちは、ヒル氏らの話を創作として受け止めていたそうだが、調べていくと二人が発見するより10年も前に、ホワイトという金鉱夫がこの地下遺跡に入ったと主張している事が判明した。
ちなみにホワイト氏は、デスバレーの南西にある廃坑の床が抜けた際に、坑道とは全く違うトンネルに落ち、周囲が古い遺跡である事に気づいたという。彼もラッセル氏とボビー氏同様、「革の服を着た人間のミイラ」や金塊の山がある大きな部屋を見たと証言したが、その後宝探しのために多くの人と共に謎の洞窟へ向かったが、崩落した廃坑が見つかっただけで遺跡に到達できなかったという。
その後、ラッセル氏とボビー氏は地下遺跡の証拠を求め、数ヶ月後に更なる調査のためにデス・バレーに赴いたそうだが、それっきり足跡は途絶えてしまった。後にデス・バレーの人里離れた場所に、ラジエーターが破裂したラッセル氏の車が放置されている様子が発見され、車内にスーツケースなどが残されているのが判明したが、二人の行方は現在も知られていない。
果たして、二人は死者の王国シン・アウ・アヴに到達できたのか。今もこの遺跡の存在は不明のままだ。
死の谷とシン・アウ・アヴの地下都市 地球上で最も神秘的な場所
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像&動画 ÚŽASNÝ SVĚT ZÁHAD / YouTube
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