
エジプトの砂漠にそびえ立つピラミッドは、現存する古代の叡知の結晶であり、遠い昔の時代を知るための、魅力的で畏怖に満ちた窓とも言える存在だ。
古代エジプト人が近代技術の恩恵を受けずして、どうやってこのような巨大な建造物を建設することができたのかについては、長い間考古学者たちの間で激しい議論が交わされてきた。
最近の研究により、古代エジプト人がギザのピラミッドをどのように建設したのかについて、新たな説が出てきている。
このたびの新しい研究によると、ピラミッド建設に携わった人々はナイル川の毎年の氾濫を利用していた可能性があるという。
ピラミッドの建設には多数の巨大な石材を必要としたが、これらの石材を運ぶために筏を組み、水位上昇の力を利用して油圧リフトの要領で高いところまで重い石材を上昇させたのかもしれないというのだ。
そのためにはピラミッド周辺に運搬用に運河や港湾を築き、整備も必要であったはずだという。
「古代エジプトの技術者たちは、この台地のピラミッドや神殿を整備するために、ナイル川とその毎年の洪水を利用し、ギザ台地の麓に港湾群を形成する運河と盆地の巧妙なシステムを利用したと思われます」と、研究著者たちは述べている。
しかし、これらの古代の技術が、いつ、どこで、どのように進化して導入されていったのかに関する環境的な証拠はまだ乏しい。
ナイル川が、ピラミッドの建設に重要な役割を果たしたであろうことは確かなことだと考えられているが、ナイル川がどのように使われたのか、そしてブロックを運んで所定の場所に移動させたのか正確なプロセスについてはまだ明らかになっていない。
いつの日か、考古学者全員が同意できる方法が明らかになってほしいものである。
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 Soupy Squirrel / PIXABAY