
阿部定といえば、昭和の代表的な猟奇事件の一つ。当時旅館の仲居を勤めていた阿部定が愛人の男性と性交中に首を絞めて殺害、その後相手男性の局部を切り取ったという事件だ。現代でもそうだが、当時はかなりの衝撃を世間に与えたようで、事件の報道が加熱しこの事件を題材にした作品も多数が産まれた。
そんな阿部定事件を彷彿とさせる事件が、今月頭にアフリカのザンビアで発生していた。
8月4日、カピリ・ムポーシ出身のジミー・ングーベ氏は深夜に脚の付け根に鋭い痛みを感じて目を覚ました。目の前には血まみれのナイフを持って立っている妻のギブン・チルフヤさんがおり、殺すと脅されたと言う。
だが、妻がこれほど激怒したのには理由があった。
ングーベ氏が就寝する前、夫婦は就寝前に口論しており、その原因は夫のングーベ氏の不貞行為だったのだ。嫉妬にかられたチルフヤさんは夫が寝付いたことを確認するとナイフを取り出し、彼のペニスを切除しようと試みた。痛みで目を覚ましたングーベ氏は兄に電話し、駆けつけた兄は彼を病院に連れて行った。
また、妻のチルフヤさんは通報を受けて駆けつけた地元警察によって逮捕、身柄を拘束された。そして8月26日の法廷にて、アーノルド・カソンガムリーロ治安判事はチルフヤさんに対し、夫を不当に傷つけたとして3年の禁固刑を言い渡した。
ちなみに阿部定事件を思わせる陰茎切断事件は他にも多数報告されている。
海外で有名な事例がボビット夫妻のケースで、夫のジョン・ウェイン・ボビットにひどいDVを受けていた妻のロレーナはある日、大きな彫刻刀で寝ている夫のペニスを切り取り、それを持ったまま車で逃走した。しかし、片手が塞がった状態でハンドルを切るのが難しいと感じた妻は途中でペニスを車の窓から野原に投げ捨ててしまった。
だが、彼女は最終的に自分から警察に自首し、ペニスを投げ捨てた場所も告白した。幸いにしてペニスは無事に見つかり、9時間に及ぶ手術の末無事に回復した。
この事件は相当な話題になり阿部定事件同様、事件を題材にした映画等も作られたようだ。なお、ボビット夫婦は1995年に離婚している。
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 kalhh / PIXABAY