
「地球上で最も孤独な男」 と呼ばれていた男が、ブラジルの熱帯雨林で死亡していたことが判明した。
ブラジルの国立先住民保護財団(Funai)によれば、この男性は北西部ロンドニア州のアマゾンにて生活していた、先住民族の最後の生き残り。言葉や文字を持たなかったため彼がどういった名前で呼ばれていたのか正確には解っていなかった。しかし食料となる動物を捕らえるために深い穴を掘るため、前述の便宜的に「穴の男」と呼ばれていた。
サバイバル・インターナショナルによると、部族は1970年代以降に土地収奪者や牧畜業者の襲撃を複数回受け、全滅させられてしまったという。たった一人生き残った族長は変わらず部族の土地を離れることもなく、ジャングルの中に造った木の小屋で一人で眠るなどして過ごしていたそう。
「穴の男」を捉えた最後の動画は、2018年にFunaiによって公開された、斧のような道具を手にして木を切りつける姿を捉えたものだった。
Funaiをはじめとする先住民族保護団体は、なんとか彼と交流し、連絡を取って物資を届けようと努力を重ねていたが、男性は近づくと身を隠すだけでなく、一度は職員に矢を射掛けてきて殺害しそうになったという。結局当局はこれ以上の接触を断念し、男性の自由裁量に任せることが決定された。
その後も保護団体の職員等は男性を刺激しないよう距離を保ちながら、物資を置いておくなどの対応を行っていたものの、23日に男性が死亡しているのが発見された。
小屋のハンモックで横たわったままの状態で発見され、自然死の可能性が高いと見られているが、連邦警察が遺体の検視を行う方針だという。
彼がかつて属していた部族についての詳細はほとんど残っておらず、男性が亡くなったことでこの部族は地球上から消滅したこととなった。部族が同団体の研究責任者などを務めるフィオナ・ワトソン氏は、「彼の死でジェノサイド(虐殺)が完了した」と指摘している。あえて「虐殺」の単語を用いたのは部族の消滅に敵対者の襲撃が密接に関与しているからだ。
絶滅や文化の消滅は人為的なもので我々が思っている以上に早く進行してしまうのだとワトソン氏は警告を発している。
The World’s Loneliest Man Found In The Amazon
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像&動画 BE AMAZED / YouTube