
8月1日、イギリスの首都ロンドン都心部、オールド・ストリート駅周辺に奇妙な貼り紙が多数貼り出されているのが発見された。それは「中古の冷蔵庫」を譲るというものだ。不要になった中古の家具を売ったり誰かに譲るのはよくある事だが、今回の冷蔵庫はただの不要品ではなかったようだ。ビラには冷蔵庫の現在の持ち主である女性による説明が書かれていたのだが、その内容は驚くべきものだった。
「この冷蔵庫は『亡くなった継母の魂』が取り憑いている呪いの冷蔵庫です。継母は台所の床で心臓発作を起こして亡くなりましたが、死後その魂が冷蔵庫のコンピューターに乗り移ってしまいました。それ以来、彼女の霊は私を微妙に貶めるようになりました。コンピューターを通して私が食べたチーズの枚数や、蓋をきちんと戻したかどうかなど、些細なコメントを前よりもするようになったのです。彼女は私たちの冷蔵庫に住むことを決め、私の料理について決定権を持ち始めました。幽霊は出て行くべきです」
obviously when you see the words “cursed fridge” you have to go over and read on, and i am so glad i did. what the fuck is going on here pic.twitter.com/zjlRYySzgm
— Imogen West-Knights (@ImogenWK) July 31, 2022
そう、まさかの幽霊が取り憑いて動作が微妙におかしくなった冷蔵庫だったのだ。
ちなみに幽霊が口うるさく指摘してくる事を除けば、冷蔵庫自体は問題なく作動するとのこと。なので、もし幽霊の指摘が気にならないようであれば快適に使えるだろう、と記されている。という事は、いわく付きとはいえこの冷蔵庫はかなりの掘り出し物と言えるのではないだろうか。
冷蔵庫の受け取りを希望する人向けに、貼り紙にはちゃんと電話番号も記載されていた・・・のだが、この番号は持ち主の女性に繋がるものではなく、なんと実はロンドンのヴォクスホールにあるキッチン・ショールームのものだった。
つまり、この貼り紙は冷蔵庫にまつわるエピソードからして全くの創作だった可能性が出て来てしまったのである。
実際、この冷蔵庫に興味を持った人は多かったようで、ショールームには100件近い問い合わせがあり、営業に支障が出たそうだ。改めて貼り紙の文章を見た人からは「そもそも、どうも義母の事らしいのに『継母』と誤った表記をしている」といったおかしい点が幾つか指摘されている。
結局、この貼り紙は「悪質ないたずら」だったというのが結論のようだ。
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)