
死体に電気を流して甦らせる、というと古典「フランケンシュタイン」の怪物を思い出す人も多いだろう。だが、海外にてクモの死体を機械的に甦らせ、ロボットにすることに成功したという驚きの報告があった。
アメリカはテキサス州ヒューストンのライス大学の科学者チームは、死んだコモリグモの死体を機械的に動かす「ネクロボット」に改造し、実際に操作して足で物をつかませることに成功したと発表した。
専門家によれば、クモの脚には伸展するための筋肉がなく、水圧によってのみ脚を動かすことができるという。そこで科学者たちはクモの背中に針を刺し、瞬間接着剤で封をして、クモの脚を動かすために体に空気を入れ続けた。するとこのクモは1秒足らずで完全に動かせるようになったのである。
Lab manipulates deceased spiders’ legs with a puff of air to serve as grabbers
チームの広報担当者は「何が起こるかわからないまま、クモに針を刺してみたところ、本当に動き出したのです」と語っている。
「次に我々はコモリグモを蜜蝋でコーティングする実験を行い、10日間の質量減少が、コーティングされていないクモよりも17倍少ないことを発見しました。これはクモの死体がより多くの水を保持していることと、その油圧システムがより長く機能する可能性があることを意味しています」
一方で研究チームは今回の実験を行った理由や目的などの詳細を明らかにしていない。だが、「この手法は、マイクロ電子デバイスを含むマニピュレーションに転用できる可能性があります」と語っている。
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像&動画 Rice University / YouTube