動物だけでなく、 なぜ人間も「共食い」は行われてきたのか

食人行為は昔からタブーとされてきた事であるが、歴史を紐解けばどの民族も行ってきた事実である。またある種の動物は、時と場合によって共食いを行うこともある。

動物が共食いしてしまうのはどこから来ているのか。それが人間でも起きうる理由は何故なのか、深く掘り下げて研究している研究者も存在している。

カリフォルニア大学の昆虫学者ジェイ・ローゼンハイム氏は人間以外の生物の共食い行動について次のように説明している。

「例えばオオグソクムシは、個体数が増えすぎたときに数を制限するため、意図的に卵を食べる共食い行為に出ます。しかし、共食い行動で知られている生物であっても本来は同族を食べる行為はできるならば避けたいようです。カマキリの雌は産卵時のエネルギー確保のために共食いをすることで知られていますが、雌同士が互いに共食いしあった後に中止した様子を見たこともあります。自分と同じ生物を襲うということは反撃されるリスクも高くなるので、可能であれば避けるのが最良になるのです」

人間の共食いの事例で知られているのはニューギニアのフォア族だ。彼らは死んだ親族の肉を調理して食べる儀式を有していたが、結果として彼らは「クールー病」と呼ばれる希少で致命的な脳疾患に侵されることになった。

この病気が蔓延しなくなったのは、この儀式をやらなくなってからだ。またローゼンハイム氏は、フォア族の事例が一番有名だが、同様の病気に苦しんだのは彼らだけではないだろうと推測している。




カリフォルニア州立大学の生態学者エリカ・ワイルディ氏も共食いについて研究している。彼女は生物にとって共食いは理想的とは言い難いが、飢餓状態であれば命を救う選択肢になり得ると語る。彼女の研究によれば、飢餓状態にあるトウキョウサンショウウオの幼体は、互いに相手を食料と見なす傾向があるという。

人間でも食事をとらないとイライラするように、動物でも人口過剰と食料不足に反応してホルモンが急増し、空腹と怒りが混ざった興奮状態に陥ることがあるという。

この研究では、サラマンダーやヒキガエルなどの両生類の一部が、幼体が密集している池に反応し、超大食漢になる様子も確認している。この時、オタマジャクシの中には独特の「共食い形態」に変化した個体も現れたという。この個体はダニや魚やミバエと同じように、擬似牙をちりばめた隙間のある顎を生やし体格が大きくなるという。

これらの点を踏まえて、ローゼンハイム氏は「人間の集団における共食いは倫理的な反発を生む行動ですが、共食いは種を確保し自然のバランスをとるための重要な行動の一つなのです。しかし最良の方法ではないため、積極的に行われるものではないし、相応のリスクを伴うものとなっているのでしょう」と語っている。

A brief history of cannibalism – Bill Schutt

(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 British Library digitised image from page 365 of “Gróf Széchenyi Béla keleti utazása India, Japan, China, Tibet és Birma országokban. (1878-80) … Magyar kiadás. 200 … képpel, etc” / The British Library

 

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