パルミラ遺跡に残された謎の神格「宇宙の支配者」を特定!

世界で最も美しい遺跡とされるパルミラ遺跡は、現代のシリアに位置し約2000年前のローマ帝国の時代に貿易の中心地として栄えてきた都市の遺跡である。

この遺跡は長い間考古学者たちの関心を集めてきたが、多くの学者が挑んで来た謎の一つに、様々な碑文で言及され「その名は永遠に祝福される者」または「宇宙の支配者」と呼ばれる未知の神の存在があった。

パルミラの信仰はメソポタミアの都市バビロンの主神マルドゥクに由来する「ベル(ベール、アッカド語で「主」の意)」を主神とした三位神に対する信仰と、豊穣と雷雨の神バールシャミン三位神に対する信仰が中心となっていたが、他にも特定の名前が無い「無名の神」に対する信仰も多かった。

二つの三位神に対する信仰は恐らくパルミラが貿易の要所であったため、様々な地域の信仰や神にまつわる伝説が多く流入し、習合したことで成立したものと考えられている。しかし「無名の神」に対して祈願したり、感謝の意を示す祭碑は大小合わせて200余りもあり、なぜ名前が存在しないのか長らく謎とされていた。




この「無名の神」の謎が、ポーランドのヴロツワフ大学の博士研究員アレクサンドラ・クビアク・シュナイダー(Aleksandra Kubiak-Schneider)氏の研究によって、ついに解明されたかもしれない、として話題になっている。

彼女はパルミラで発掘された碑文と古代メソポタミアで発見された碑文とを比較することによって、言及されている神が単一の神ではなく、複数の神である可能性が高いことを決定することができたという。複数の神は主神であるベル・マルドゥクやバールシャミンを含むものであり、当時の人々が神への尊敬の念を表すためにまとめて言及したものと推測できるというのだ。

シュナイダー氏によれば、碑文を書いた人々は特定の神ではなく、彼らの祈りに耳を傾けてくれるすべての神々に向けて碑文を送っていたのかもしれないとのこと。

「人々の願いを聞き入れ、好意を示してくれたすべての神への永遠の賛美が残されているのです」と彼女はLive Science紙のインタビューで語っている。

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 Andrea Lamberti / PIXABAY

 

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