暗殺犯に合図を送っていた?黒い傘の男『アンブレラ・マン』【後半】

(前半から続く)

この建物は、主犯とされているリー・ハーヴェイ・オズワルドが銃撃したと証言している建物でもあった。やはり「黒い傘の男」はケネディ大統領の暗殺に加担した人物だったのだろうか?

映像の中に不自然な「黒い傘の男」を発見した米国下院暗殺特別委員会は、この謎の人物に関するあらゆる情報を一般に公開するよう呼びかけた。そして暗殺事件から15年経った1978年、ルイ・スティーブン・ウィットという男が自分こそ動画の「黒い傘の男」アンブレラマンだと名乗りを上げた。

彼によれば、黒い傘は銃撃の合図のためのものではなく、「ケネディ大統領を皮肉るため」に持参したものだったという。

ケネディ大統領の父ジョセフ・ケネディはかつてイギリスの首相ネビル・チェンバレンの支援者であった。チェンバレン首相はナチス宥和政策をとり、総裁であったアドルフ・ヒトラーの隠れ家を訪ねたこともあった。そのためチェンバレン首相の親ナチスの仕事に反対する人々は、首相が愛用していた大きな黒い傘でもって方針を揶揄したのだという。




事実、1930年代から40年代にかけてチェンバレン首相をからかう風刺漫画に黒い傘が登場したり、抗議のために黒い傘が使われる事例もあったという。

「黒い傘の男」ことウィットは保守派であり、ケネディ大統領のことをリベラル派だと考えていたため、大統領の父親の経歴を踏まえて少し揶揄してやろうと考えたのだそうだ。そのパフォーマンスの直後に大統領が殺害されるなど夢にも思わぬまま…。

ウィット氏は名乗り出た後に取り調べを受けたが、当然ながら暗殺事件への関与を否定。暗殺の予備知識も一切なく、一般の人たちと同じように震え上がっていたことがよくわかる証言を終えた彼は、最後にこの言葉を残している。

「もしギネスブックに、悪い時に悪い場所にいて、悪いことをした人のカテゴリーがあったら、私はそのポジションでNo.1になると思います」

50 Years Later, Eyewitnesses Remember Kennedy Assassination

(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 PIXABAY

 

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