
イギリス・ウェールズ地方の浜辺に、なんとも不気味な生物が打ち上げられて話題になっている。
先日、グウィネド州のベナービーチを散歩していたシェル・ロングモアさんによると、波打ち際に「複数の触手を持つ不気味な生物」が漂着していたという。生物の大きさは十センチ程度で、皺のある褐色の長い触手が複数まとまって生えており、その先端に白い貝殻のようなものがついていたという。
彼女は「私は地元の野生動物に詳しいけれど、こんな『マラカスを演奏するヒトデ』のような生物は見た事がありません。非常に奇妙ですが、どこか美しさもあります」と評している。
Alien-Looking Creature ‘Gooseneck Barnacles’ Washes Up on Bennar Beach in North Wales; Netizens Call It ‘Shadow Monster From Stranger Things’ (View Viral Photo)#viralnews #viralvideo #bizarre #Shocking https://t.co/RDiC3MNxY4
— LatestLY (@latestly) June 27, 2022
彼女がこの生物の姿を捉えた写真をFacebookにアップすると、すぐさま多くの人達が正体について様々な意見を書き込んできた。中にはNetflixのドラマリーズ「ストレンジャー・シングス」に登場する蜘蛛のような複数の足ないしは触手を持つ怪物「マインド・フレイヤー」と似ている、という意見もあったようだ。
しかし、後に礒の生物に詳しい人から、恐らく「グースネック・フジツボ(Goose barnacle)」ではないか、という意見が寄せられた。この生物は岩礁の割れ目に群れで引っ付いて棲息しているフジツボ類やエボシガイ類に近い生き物。日本ではカメノテという類似の生物が棲息している。潮が満ちてくると貝殻に似た殻の中にある蔓脚(まんきゃく)を広げ、波に乗って運ばれてくる餌を補食するのだ。普段は貝に似た先端の部分が目立つが、この種類は殻の部分を支える柄の部分も長いため、まとめて磯のどこかから剥がれ落ちるとこのような姿になるのだとか。
ちなみに昔の人もこの生物の存在を不思議に思っていたようで、「この貝からは鳥の雁(ガン)のヒナが生まれ、海に落ちて鳥として活動し始める」という「フジツボ・ガン」の伝説が欧州には長く伝えられていた。
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)