従業員の結束を高めるため「火渡り」…が失敗して数十人が負傷

日本の修験道の修行の一つに「火渡り」というものがある。東京の高尾山薬王院の火渡り祭が有名だが、地面に敷かれたくすぶり火が点いたままの薪炭の上を裸足で歩くというもので、無病息災や身上安全の祈願が行われる。

火渡り祭では修験者だけでなく、一般の参加者も儀式に参加する事が可能。一見危ないようにも思えるが、適切な方法で行えば火傷は負わないとされている。

この火渡りの儀式は他の宗教でも見られるものなのだが、スイスにてとある企業が「従業員の結束を高めるために」火渡りの儀式を行ったところ、見事に失敗して実に数十人の従業員がやけどを負う事態に発生してしまった。

この事件は14日の夜、スイスのメディアマーケティング会社「Goldbach」社の従業員の親睦会で起きたという。従業員間の親睦を深めることを目的に、「燃える炭のベッドを素足で歩く」というチーム活動が行われた。しかし、熱い炭火の上を歩き終わった直後、何人かの社員が「足が痛い」と言い出した。

通報を受けて救急車が駆けつけると、なんと25人もの人が負傷していることが判明。そのうち13人は病院に搬入されるほどの大やけどを負っていたという。




なお、通常の火渡りの儀式ではそうそう火傷を負う人はいない。これは熱伝導率が関係しており、炭は熱伝導率が低い上に表面がでこぼこしているため、裸足で上を歩いても熱が伝わりにくいのだという。熱伝導率の高い金属に触れるとすぐにやけどしてしまうのとは正反対だ。また、足の裏が炭に触れている時間が短いほど伝導率も下がるため、おっかなびっくりな歩みではなくスタスタと歩ききってしまえば火傷もしないですむのだとか。

今回、スイスの企業が行った火渡りが大失敗に終わったのは、歩き方を間違えたか、炭等の準備を間違えたのではないかと考えられている。海外では企業が社員の結束ややる気を高めるために火渡りを行う事はままあるようで、2010年にもイタリアの大手不動産会社が火渡りを行い、失敗するという事故が発生している。

今回の事件について、Goldbach社は社内メモを発表し火曜日の夜に起こったことを認め、この活動に参加した人は自分の意志で行ったことを強調。強制ではなく全ては社員の自発的な行動であると、チームの結束を高めるためのイベントが会社側の思惑通りにいかなかった旨を認めている。

(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 Iqra Ghula Raaool / PIXABAY

 

関連記事

最近の投稿

ページ上部へ戻る