イスラエルのネクロポリスで1800年前の呪いが出土

イスラエルにて、1800年前に書かれた「呪いの言葉」を刻んだ石が発見され、話題になっている。

今回の発見がなされたのはイスラエルのハイファ南東に位置し、世界遺産にもなっているベート・シェアリムのネクロポリス。この遺跡は多くの地下墓地で構成されており、様々な文化の人々が埋葬地に選んでいた事を伺わせる碑文や芸術品が出土している。

今回の「呪いの言葉が含まれた碑文」はネクロポリスの保存作業中に発見されたもの。近くの壁でも別の碑文が見つかっており、この遺跡で新たな碑文が確認されるのは65年ぶり。

ハイファ大学とイスラエル古代遺産局によれば、この碑文は今から1800年前のビザンチン時代初期のもので、墓の主であるユダヤ教改宗者ヤコブの眠りを妨げないよう警告している内容が赤文字で8行にわたって書かれているという。




「この墓を開けた者は呪われる」と赤線を引いて強調しており、その下に「60歳」と没年が記されている。なお、当時は生前に自分の墓標を書いておくことはそれほど珍しいことではなかったそうで、こちらの碑文も生前用意されたものではないかとみられている。

考古学者達が特に注目しているのは、呪いよりも彼が「ユダヤ教に改宗した」事を示す一文が書かれている点だ。研究者によると、改宗者を示す碑文はそう一般的なものではなく、これまでに発見されたものはほとんどがユダヤ教が優勢だった第二神殿時代か初期ローマ時代のものになるという。

「この碑文はローマ時代後期かビザンチン時代初期のもので、キリスト教が力をつけている時期になる。それでもなお、ユダヤ教徒の仲間入りを選ぶ人々がいることを示す証拠が見つかった」と、ベイト・シェアリムでの発掘調査を主導しているハイファ大学考古学学部のアディ・エルリッヒ教授は述べている。

(勝木孝之 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 https://twitter.com/rogueclassicist

 

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