
5月17日、アメリカ議会は50年ぶりにUFOに関する公聴会を開催した。それでなくともここ数年、UFO現象に対するアメリカ政府の態度は情報公開と透明性を再重視しており、昔に比べて大きく前進しているように見える。
アメリカ政府やアメリカ軍がUFOについて大きな調査を行った事で有名なものが、1952年から1969年の間に行われたプロジェクト・ブルーブックである。
この調査では全米で報告された実に何千ものUFO目撃情報を分析し、その結果当局は「UFOの目撃事例は常に容易に説明可能である」という結論に至った。そして1968年に米空軍が公開したUFOに関するパンフレットに見られるように、1960年代にはアメリカ政府はUFOに関するテーマの全体を軽視する動きになっていた。
「Aids to Identification of Flying Objects(飛んでいる物体の識別の補助)」と題された前述のパンフレットは、1万件を超えるUFOの目撃報告を受けて発表されたもので、いわゆるUFOと呼ばれるこれらの物体が「技術的に高度なもの」であるとか、「宇宙人が操縦している」という証拠は何もなく、常に従来の説明があるという見方を助長するものだった。
パンフレットの中にはUFOと呼ばれている物体がどのように説明できるかという様々な事例のリストが掲載されており、UFO現象について「真剣に受け止めるべき」という考えを頭から否定しているようだった。
「人々によって目撃されたものが、現在の科学的知識の範囲を超えた技術的発展や原理を表しているという証拠は、空軍に提出されたことも、軍が発見したこともない。未確認飛行物体が知的制御下にある地球外生命体であることを示す具体的な証拠は何もない」
そうパンフレットには明言されていたのだが、時代が下って2000年代になって米軍が再びUFO現象と向き合う事になり、独自の極秘研究プログラムを実施することになろうとは誰が想像できただろうか。UFOの歴史はこういった重要視と軽視の繰り返しで進んでいくのかもしれない。
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 Unknown suspension bridge with strange artifact / simpleinsomnia