卵の食べ過ぎで癌になる!?畜産農場の殺虫剤もヤバすぎる!

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【日本人は卵を食べ過ぎ、世界第二位】

日本人は年間337個もの卵を摂取していて、メキシコに次いで世界第二位の卵の大量消費国だ。

日本では、大量生産大量消費の工場型畜産により、バタリーゲージの卵は一個あたり僅か10円で買える。この値段は、過密で日光の当たらない不衛生な環境に置かれ、ただ死を待つ鶏達の犠牲があるからこそ成り立つ。

卵は安く入手できる高い栄養価のある食材だと考える日本人が多いだろう。しかし、昨今、複数の研究により、卵を食べ過ぎると、早期死亡のリスクが増加することが判明した。

2020年7月に発表された米国ハーバード大学の論文によると、16年間416,104人のアメリカ人を対象にしたコホート研究の結果、動物性タンパク質を、わずか3%を植物性タンパク質におきかえるだけで、癌の死亡リスクが男女とも10%減少、心血管疾患は男性で11%・女性で12%減少した。

特に卵を植物性タンパク質に置き換えると、男性では24%、女性では21%、死亡リスクが減少した。また、34ヵ国のデータを分析した研究によると、卵を摂取しすぎると大腸がんによる死亡リスクも上がるという。




2020年10月、中国・オーストラリア・カタールの研究チームが発表した論文によると、卵の消費量が増えると糖尿病のリスクが上がるという。

2021年2月、中国の研究チームが発表した論文にによると、卵から摂取するコレステロール値の量が多すぎると、癌や心血管疾患の死亡率が上がるという。癌による死亡率24%増加、その他心疾患による死亡率は16%、全死亡率は19%増加するそうだ。

更に、2022年4月、中国の研究チームが発表した最新の論文によると、卵から摂取するコレステロールの量が多ければ多いほど、総死亡率および心血管疾患による死亡率のリスクが上がるという。

適切な量のコレステロールは生命の維持の為に必要である。 そもそも、コレステロールは人体で生成される。70~80%は体内で作られ、20~30%は食事で摂取する。

卵に含まれるコレステロールは、全身の細胞の成分になるのに加え、ホルモンの原料になり、ビタミンDや胆汁酸の原料にもなるので、あくまで「摂取しすぎると身体に悪い」のであって「卵を摂取してはいけない」訳ではない。


画像©Andreas Göllner

【厚労省の方針が変わったのは「卵業者利権」の思惑も!?】

しかし、昨今の日本人は卵の採りすぎのように思う。

従来、厚生労働省では、1日のコレステロールの摂取基準を女性600mg、男性750mgと設けていた。卵1個のコレステロール値はおよそ300mgなので、卵は「1日1個まで」が良いとされていた。

ところが、その後、「コレステロール値を多く含む食品を食べても、血中コレステロール値には影響がない」という研究が複数発表された。

American Egg Board (全米卵協議会)などの企業が資金提供をした研究の49%(29個の論文)では「コレステロール値の上昇は悪くない」ものだという結論を主張した。勿論、American Egg Board (全米卵協議会)はその名の通り、卵の摂取を推進していて、同協議会は「資金は卵の販売に必要な研究・教育・宣伝を支援している」と表明している。

これらの論文が果たして中立的な立場から執筆しているのだろうか、疑問が残る。アキタフーズの賄賂事件もあったが、行政と「卵利権」の黒い繋がりが影響しているのは考えすぎだろうか。

論文の研究結果を受けて、厚労省は2015年より「血中コレステロール値が高い人以外は2個以上食べても構わない」という方針に変わった。

今回の最新の研究結果を受けて、厚労省はどう動くのだろうか。

【猛毒の殺虫剤】

卵に関して、もう一点、注意しなければならない問題がある。

日本の多くの養鶏場では、他国では猛毒の為使用が禁止されている殺虫剤が鶏達や卵にもふりかけられているのだ。

例えば、ネグホン4という駆除剤は97%の成分がトリクロルホンだ。トリクルホンは、アメリカでは1995年に食料や飼料関係での使用禁止、EU、ブラジル、ニュージーランド、アルゼンチン、インドなどでも使用禁止になっているが、日本では使用されている。

ボルホ6という駆除剤は、主要成分プロボクスで、EUでは禁止、カリフォルニアでは癌を引き起こす化学物質として指定されている。




スピノサドという化学物質もワクモの対策に使われていて、殆どの国の鶏卵のスピノサド残留農薬基準は0.05ppm以下(香港では0.01ppm)だが、日本だけなんとその10倍の0.5ppmまで許容されている。

しかも、千葉県畜産総合研究センターが2015年に日獣会誌に出版した論文によると、日本では殺虫剤を使用しすぎてダニに抵抗性がついて効かなくなってきているという。

「卵が身体に悪い」訳ではないが、工場型畜産のシステムにより、あまりに安価で売られている卵を日本人は食べ過ぎである。

卵の食べ過ぎは人間の健康にも悪いのは前述の通りだが、消費量を減らしていけば、いずれゲージフリーのより良い環境に移行が出来るだろう。「どうせ食べるなら、生前はどんな酷い環境に置いても変わらない」という考え方はあまりに非情ではないだろうか。

ストレスのない環境で育つ鶏卵の方が栄養価も高く、前述の猛毒の殺虫剤や余計な抗生物質が使用されていなく安全だ。
世界的にみてもバタリーゲージを禁止している国はが増えている。 鶏のバタリーケージは2000年代後半から、EUをはじめ、スイス、米国の6州、ブータン、インドで禁止された。

人間の為にも消費者・畜産業者・厚労省が意識を変えて、日本にアニマルウェルフェアが浸透されていくことを切に願う。

文:深月ユリア ミステリーニュースステーションATLAS
ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血を受け継ぐ魔女占い師。ジャーナリスト、女優、ベリーダンサー、映画・イベントプロデューサーとしても活動

著書
あなたも霊視ができる本 」文芸社
世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに」明窓出版

 

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