
フランス・パリ在住の女性が美術館の展示品であるジャケットを盗み、さらにジャケットを自分で着られるように仕立て屋に加工させるという驚きの行動をとり、逮捕されるという事件が起きた。
今週明るみに出たこの奇妙な事件は、3月にピカソ美術館で開催されていたオリオル・ヴィラノヴァ展覧会「オールド・マスターズ」で起きたという。
この展覧会ではピカソの作品のポストカードがポケットに入った青いジャケットが壁に掛けられた状態で展示されていたのだが、ある女性客が何を思ったのか、そのジャケットを壁から盗んでそのまま美術館を後にしたのである。あろうことか、女性はその上着を仕立屋に持ち込むと、自分に合うように採寸を直してもらったのだ。
一方、そんな事実を知らない美術館の関係者は、作品が盗まれたことに気づくとすぐに防犯カメラの映像を調べて犯人を探し出すことにした。だが幸いなことに(?)、この大胆な犯行を行った女性は1週間後に再び美術館を来訪。スタッフがすぐに女性がいることに気づいたため、事件は解決の運びとなった。
その後女性は警察に逮捕されたものの、上着を盗んだことは認めたが「ジャケットが展示されていた美術品だとは知らなかった」と主張。
どうやら彼女は立派な美術品ではなく、着古されたジャケットが壁にかけられていただけだと考え、その場から盗ってしまったことが明らかになった。本人がどう考えていようと彼女の行為は窃盗であるのは間違いない。またジャケットも無事に回収されたものの、美術作品から単なる中古の服になってしまったため損害賠償が発生するのではないかと考えられている。
A 72-year-old woman stole a jacket artwork on display at the Musée Picasso and had it altered to fit her: https://t.co/LbzN6TaNTL pic.twitter.com/HP4qclolbN
— Artnet (@artnet) May 2, 2022
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©Céline Martin / PIXABAY