
イギリスのある男性が、催眠療法を受けたことで「第一次世界大戦中に飛行機の写真家と砲手として活躍した過去の記憶が鮮明に蘇った」と主張、注目を集めている。
スティーブ・マリガンさんは1961年にマンチェスター市で生まれたが、「20世紀初頭にシドニー・サトクリフとして産まれ、ウェールズのランダドノで育った記憶」が非常に鮮明に残っているという。彼の前世であるシドニー・サトクリフさんは第一次世界大戦中の西部戦線でパイロットとして従軍、撃墜されて24歳の若さで死んだという。
マリガンさんは、昔から「空高くから地面を見下ろす白黒の不思議な記憶」を持っていた。しかしどれほど思い出そうとしてみても該当する体験がなかったという。また、幼い頃からランダドノという土地に惹かれており、「子供の頃ここに来たときも、私はすでにこの町の地図が頭に入っていて、母は私がどこに行けばいいか知っていることに驚いていました」と語る。
「歩いていると、まるでデジャヴのように『前に行ったことがある』気がしたんだ」
そこから彼は催眠療法を受け、前世の記憶を取り戻したのだとDaily Post紙のインタビューで語っている。
彼は催眠療法セッションにて、第一次世界大戦でカメラマンと砲手として働く前に、レクサムのフュージリアーズに入り、後に王立飛行隊に入るなど、彼の過去の人生を思い出したと語る。さらに、最後の任務であるフランスのカンブリー近郊の敵陣上空での航空偵察飛行で、飛行機が敵の攻撃を受けて墜落する前に下を向いていたことを思い出したという。
マリガン氏は「飛行機が墜落していくときの感覚を覚えている。命が失われていくのを感じましたが、私には何もできませんでした」と振り返る。
そして彼は最近になって、ランダドノの戦争記念館を訪れ、第一次世界大戦中に亡くなった地元の兵士達の墓を確認。実際にシドニー・サトクリフという名前が刻まれた墓石も発見したという。
もちろん、彼の前世の記憶について疑問視する人もいる。何かしらの本でランダドノの町や第一次世界大戦の話を聞いていれば、同様の記憶を作り出せる可能性はあるからだ。しかしマリガン氏は「子供の頃に来たこと以外、ランダドノについて何も知りませんでした。シドニー・サトクリフという名前も聞いたことがなかった。だから、何百万という名前の中からその名前を選び、それがランダドノに住んでいた人だったなんて、本当に信じられないことだ」と語っている。
「現地のお墓にシドニーの名前があるのを見たときは感動したし、まだ頭の中が整理できていない。変な気分だよ」とマリガン氏は語る。更に不思議な点として、シドニー・サトクリフの両親の墓も発見したそうだが、彼の母親であるローダさんは1960年に亡くなり、マリガン氏はその9ヶ月後の1961年に生まれているのだそう。
「まるで私は彼女が亡くなるのを待っていて、それから生まれ変わったようだ」とマリガンさんは感慨深げに話している。
(勝木孝之 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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