税務署に『魔法の経費』請求可!英国で唯一公認された職業「村の魔女」

3月15日、日本では確定申告の時期が終了した(理由により4月15日まで申告可能)。必要経費の計上や各種控除など、なかなか面倒で難しい点も多い。

さて、こういった納税に関する申告は職業や国が変われば内容も変わるもの。イギリスにはなんと国に公認された職業として「魔女」もあり、納税申告書にその仕事を申告する独自の許可を得ているだけでなく、呪文や魔法の薬の製作にかかる費用を必要経費として請求することも可能だという。

カサンドラ・レイサム・ジョーンズさん(71歳)は、イギリスで初めて「村の魔女」と認定され、内国歳入庁に申告することができるようになった最初の人物である。

彼女は30年以上にわたって、コーンウォールのセント・ブリヤン村で活動している魔女であり、公式に賢者として認められた人物でもある。彼女はタロットカード占いや儀式、呪文などからイボ取りまで、伝統的な魔女のサービスを提供している。また、彼女は看護師とカウンセラーの資格も取得しており、カウンセリングやコミュニティサービスなどの仕事も行っている。

認定されるまでに相当な困難があったのかと思えばそうではなく、「役所に行って所定の用紙をもらい、職業欄に『村の魔女』と書くだけで大丈夫でした、誰も何も言ってきませんでした」と彼女は語る。しかし認定がスムーズにいった背景には、長年『魔女』がコミュニティにいたという文化的側面と、彼女が地域の人々を助け、支援してきた実績があったからに他ならない。

「私の出費は少し変わっていて、魔法や儀式の特定の行為を行う場合は、すべての異なる材料と、ミードのボトルが必要です。誰もやったことがないことだから、私はちょっとしたパイオニアだったんです」

カサンドラさんが魔術の世界に入ったきっかけは、「適切な時に、適切な場所にいたこと」だったという。




「もし『村の魔女』になりたいと思っているなら、たくさんのお金を稼げることは期待しないほうがいいということを肝に銘じて下さい。私のような人間は何百年も前からコミュニティにいましたし、確かに西コーンウォールでは、その原理は決して消えていません」

「しかしNVQ(全国職業資格)やGCSE(学業資格)を取得することはできませんし、ある程度の実務経験を積むこともできません。宣伝や華やかさ、それにまつわるいろいろなものを脇に置けば、魔女は人々を助け、コミュニティを援助するために存在するのです」

カサンドラさんは現在、正式に魔女を引退しているが、実質的に跡を継いでいるパートナーのレティシアさんの仕事を手伝っているという。レティシアさんは旧来の魔女としての仕事に加え、人々が民間魔法や賢者の技術を学べるよう、実践的なワークショップを開催しているとのことだ。

(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©cocoparisienne PIXABAY

 

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