
路上喫煙に規制が入ったものの、いまでも度々町中で見かけるポイ捨てされたタバコの吸い殻。ポイ捨てに悩まされているのは日本人だけでなく、世界各地で対策が行われている。
そんな中、スウェーデンのある企業がカラスを訓練してタバコの吸殻を回収させるという驚きのポイ捨て防止策を思いついた。この斬新なコンセプトは、ギュンター・ハンセン氏の発案とされ、彼はこの計画を実行に移すために「Corvid Cleaning」という企業を設立までしているという。
しかしどうやってカラスに吸い殻を集めてもらうのか。
これはカラスの学習能力を利用し、カラスがタバコの吸殻を拾って小さな機械に入れるとご褒美としてエサがもらえる仕組みの装置を町中に設置することでポイ捨てを無くしていきたいとしている。ゴミを集めるカラスはニューカレドニアンという種類で、その知能と推理力は7歳の子供と同等であるとの研究結果もあるほど。
このカラスを用いたポイ捨て撲滅プロジェクトは現在小規模な実行試験が行われており、この試みが成功すれば市全体に広げていきたいと考えているそうだ。
この試みが行われている、セーデルタリエ市では街の清掃のために年間約200万ドルが費やされているという。環境保護団体の調査によればスウェーデンではタバコの吸殻のポイ捨てが特にひどく、毎年10億個もの吸殻が捨てられているという。
人間の清掃作業より効率的な方法として「カラスに回収してもらう」今回のプロジェクトが発足したそうだ。気になるのはカラスがタバコの吸い殻を誤飲してしまわないか、という点だが「鳥の健康を第一に考えてプロジェクトを進めている」とハンセン氏は強調している。また、報酬としてエサを与えることでゴミがカラスに散らかされる事も減る」とのことだ。
上手くいけば非常に画期的なプロジェクトだが、一方で「そもそも人間がポイ捨てしないように」マナーを守る必要がある、と専門家は語っている。
野生のカラスが吸い殻を拾って環境美化、なぜ?スウェーデン
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像&動画©ロイター(Reuters Japan)/ YouTube