
YouTube『古舘ch』新年1月5日更新、今回のテーマは新企画「古舘伊知郎が迫る・メディアで報じない珍事件」。
ゲストには国内トップの傍聴マニアと名高い、″裁判傍聴芸人″こと、大川興行所属のお笑い芸人、阿曽山大噴火(あそざんだいふんか)を迎えた。
そして、その阿曽山が語ってくれた珍事件とは・・・
裁判年……2004年
罪名……窃盗・建造物侵入
被告人……20代後半の男性
事件内容……車の販売店に深夜忍び込み、盗みを働いた
阿曽山は「いわゆる事務所荒らし。中にはお金や金券とかもあるかも知れない」としながらも、実際に被告人が盗んだというのが、何と!車でもお金でも無い、車のメーカーのロゴが入った″ストラップ″や″ポストカード″などの非売品のグッズだけであった。
これには古舘も「車とかじゃないの!?」とちょっとビックリ。
阿曽山によると、被告人は前科もあり、過去も同じような車の販売店に入って、トヨタや日産と書いているキーホルダー、ボールペンなどの車のグッズを盗む、″カーグッズマニア″ ″カーグッズコレクター″であるという。
それに対し「車体行かない、お金行かない、コンビニに行っても買えるモノじゃない。その周縁の(車を)買った人に貰えるという、非売品と売品の中途半端なところ」と、テンポよい古舘節で表現。
そして「鉄オタの中の、″どこどこ行き(例えば『幸福駅行き』等)″のプレート飾っている人いるじゃないですか。盗みさえ働かなきゃ真っ当なディープマニアですよね」、「車買わないと貰えないからか……」と興味深い面持ちでコメントした。
阿曽山は、被告人の肝心の動機について、「弁護人も警察官も再犯だって事で、″(犯行はもう)やめて下さいよ″という感じで。裁判は、あんまり動機とか理由とかには触れなかった」と語るが、裁判を改めて振り返ると「でも僕は(また犯行を)繰り返すんじゃないかなあ。余程じゃない限り」と神妙な面持ちで呟いた。
また、阿曽山はこう続けた。
「(被告人に向かって)犯行を繰り返していると、まだ若いのに刑務所に出たり入ったりで、大変な事になりますよ」
と最後に裁判官が被告人を諭した時、阿曽山はトンデモない″ある事に″気がついたというのだ。
「二度とやりません」と、裁判官の目をしっかり見つめながら約束したはずの被告人が着ていたトレーナーの背中には、嗚呼、なんてこった・・・大きく『DUNLOP※』の文字が!
「よりによって、これ着て来るか?!」「しかも裁判官から背中が見えない…」「(裁判官と)面と向かってるから傍聴席から丸見えですよ」との阿曽山の話に、古舘は「(被告人が)スゴい巧妙!!」「裁判官を欺き、法廷に詰めかけて傍聴している人達に、″俺はやり続けるからな″という意思表示!!」と、笑いが止まらない。
筆者も一時期、非売品欲しさに必要ではない商品を買い求め続けた経験があった。非売品の魅力にどっぷりハマった経験者として、被告人の気持ちに理解出来る部分はある。
しかし、魅力に取り憑かれたのが、車という高額商品の非売品だったという点が何とも悩ましいところ。だからと言って、犯罪は決して許されない。
今でもこの被告人が、古舘の予想を裏切り、犯行を繰り返していないことを祈るばかりである。
※イギリス発祥のゴム・タイヤメーカー
(香里 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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