AIがトランプを、選んだ色を当てる!?進化するAIマジックの原理

1月3日、NHKにて「『超絶神業!マジックバトル』前代未聞!生でムチャぶり マジックバトル新春LIVE」という特番が放送された。

この番組は若手有名マジシャンたちが生放送でマジックを披露。公式サイトとSNSで視聴者からの反応をリアルタイムで募集し、その投稿を紹介しながら時には種明かしにもなりかねないマジシャンへの“ムチャぶり”が決定されるというものだった。なお、放送中ではゲストとして登場していたMr.マリック氏が超魔術を披露する一面もあった。

様々なマジシャンらが得意のマジックを披露し、一見ネタバレしかねないムチャぶりでも変わらず成功させる様子を見せていた。




中でも異色だったのはサイクロンZ氏である。彼はスマートフォンにゲストが選んだトランプを当てさせる「AIマジック」を披露。iPhoneの音声認識サポートアプリであるSiriに呼び掛け、テーブルの上に伏せたまま置かれている山札の一番上にあるトランプのマークと数字を見事に当てさせた。

そのサイクロンZ氏へのムチャぶりは「他の人のスマートフォンでやったらどうなるか」というものである。

そこでサイクロンZ氏はゲストのiPhoneを借りた後、番組スタッフの持っていた5色のテープを並べて選ばせた。5色のテープの中からゲストが淡い緑色の養生テープを選んだ後、Siriに「好きな色は?」と呼び掛けたところ、Siriは「少し緑がかった色ですが、複雑な色です」と答えた。

選ばれた養生テープの色は確かに淡い緑色で、黄緑とも浅葱色ともいえない少し曖昧な色味。Siriがスタジオでのやり取りを見ていたとしか思えない流れであった。




これがサイクロンZ自身のスマートフォンであったら、ある程度のやり取りを予め記録させておき、特定の言葉で再生させることも可能かもしれない。だが、全く仕込むことができない他人のスマートフォンで特定の言葉を引き出すことなど可能なのだろうか…。

実は、「Siriに色を当てさせる」マジックは誰でも可能なマジックなのだ。

Siriにはある特定の質問をすると独自の返答を返すように最初から設計されており、「Siriの好きな色」を質問すると必ず「緑っぽい複雑な色」と解答するように出来ているのだ。サイクロンZ氏もこのSiriの仕組みを知っていたからこそ、咄嗟のムチャぶりに対応したマジックへ路線変更することができたのだろう。

なお、AIに答えさせるマジックは多数あり、様々な手法が日々模索されている。スマートフォンとアシスタントAIが身近になった現在だからこそ考案されたマジックと言えるかもしれない。

(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©Lukas Gehrer / PIXABAY

 

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