イーロン・マスクの「ノアの方舟」構想

宇宙開発事業で知られるSpaceX社など複数の会社を率いるイーロン・マスク氏。様々な革新的な事業を提案し、実行に移してきた彼はこの度聖書にある「ノアの方舟」のように、このたび火星に動物や人を運びたいという展望を述べた。

米タイム誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたスペースX社の起業家イーロン・マスク氏は、インタビューにて今後の夢として火星への到達と「全体的な目標として、生命を多惑星型にし、人類が宇宙を利用する文明になることを可能にできれば」と説明。

「次なる大きな目標は、火星に自給自足の都市を建設し、そこに地球の動物や生物を連れてくることです。未来的なノアの箱舟のようなものです」と壮大な夢を述べた。

しかし専門家からは、マスク氏によるこの野心的な夢が実現するのは何百年も先のことかもしれないという声が上がっている。




惑星科学者のロジャー・ウィーンズ氏は彼のアイデアは「お見事なご発言」に過ぎないと述べる。「(二酸化炭素の)大気を持つ火星は、暖かくして水を与えれば植物を育てるには良い場所かもしれません。しかし、呼吸に酸素を必要とする動物を降ろすには不適切な場所でしょう」と説明する。

火星で自立した生態系を作るというマスク氏の夢は素晴らしい長期目標だが、植物を増やして人類や他の生物が棲息できる環境を作り上げるためには少なくとも数世紀かかるだろう、と他の専門家らも述べている。

一方でマスク氏のビジョンに賛同する科学専門家もいない訳ではない。

北アリゾナ大学天文学・惑星科学科のクリストファー・S・エドワーズ准教授は「火星に動物を連れて行くというアイデアが恐ろしいとは思わない。大昔、海を渡る帆船に家畜が運ばれていました」との見解を示しているし、コロラド大学ボルダー校の天体物理学・惑星科学助教授であるデイブ・ブレイン教授は「社会には大きな考えを持つ人がいることが重要です。それを踏まえるとイーロン・マスク氏は一貫して大きなことを考えています」と述べている。

イーロン・マスク氏の生きている間に「火星のノアの方舟」構想が実現する日はくるか?それともこないか?

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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