
ベネズエラの首都カラカスにある何の変哲もない2階建てビル。そのバルコニーには、まるでホラー映画のセットのように不穏な光景が広がっている。
エル・ムエルト通りの角を通り過ぎて上を見上げると、なんと何百もの古い人形がぎっしりと並べられているのだ。
どの人形も埃をかぶり、うつろな目で下を通る人を見下ろすように配置されている。このビルは通称「Balcony of Dolls(人形のバルコニー)」と呼ばれている。一見かなり不気味な光景に思えるが、実際には地元のアーティスト、エタニス・ゴンザレス氏が制作したアート作品だという。
Vecinos viven aterrorizados por un balcón lleno de muñecas en Venezuela
エタニス・ゴンザレス氏はこの家を所有しているだけでなく、自身の作品を展示する美術館としても利用している。この不気味なバルコニーを造ったきっかけは、家族の友人が自分のトラックの前に人形を飾っていたことだったという。
数百体もの人形で埋め尽くされたバルコニーを作るため、人形の頭を1つずつ集め、実に3年の期間を要して作り上げたという。
しかし、完成した当初はゴンザレス氏が悪魔崇拝でもしているのではないかと信じる人や、人形が本物の赤ちゃんだと勘違いする人も出てしまったという。あまりにも不気味な「人形のバルコニー」だが、むしろその異質さや不気味さが人々の興味と注目を集めるようになり、幸いにも現在では地元の名物として評価されるようになっているそうだ。
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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