
【ハーバード大学の研究】
ハーバード大学グレン生物老化研究所所長、デヴィッド・シンクレア氏の最新の研究によると、人間の老化現象の一因の一つに動物性タンパク質の過剰接種があるという。
古来より動物性タンパク質より味噌や豆腐・納豆など大豆からタンパク質を摂ることが多かった日本人は同年代の欧米人に比べて男女共に若く見える人が多い。
シンクレア氏によると、人間は粗食で食事の時間の間隔を空ける方が、細胞の新陳代謝が活性化して若さを保てるのみならず、免役力が高くなり病気にもかかりにくくなるという。
というのも、地球上の生物は豊満な栄養状態にあると、子孫を残す為に細胞分裂を開始する。この時に、DNAの複製に失敗した遺伝子はジャンクDNAとなり老化の原因となる。
しかし、空腹と低タンパク状態にあると、子孫が奇形になる可能性が高くなる為、細胞は分裂を中止する。そして、身体がジャンクDNAを分解する為にアミノ酸を作り出し、不要なジャンクDNAが減り、細胞が活性化し生物の身体の自動修復が始まる。シンクレア氏は空腹と低栄養状態における、生物の細胞修復システムを「サバイバル回路」と名付けた。
シンクレア氏によると、そもそも生命の起源から、地球上に生きる生物は放射線や化学物質、熱、火、寒気、洪水、乾燥などストレスにあふれた環境で生活している。地球上の生命にはある程度のストレスが必要である。人間も動物性タンパク質をとりすぎるよりも、野菜や豆などから不十分なタンパク質を摂取する方が、人体の中のジャンクDNAを分解して、老廃物を排出し、細胞を修復するサバイバル回路が働き老化が防がれるという。
sardegna 002 / raffaelesergi1977
【長寿地域「ブルーゾーン」】
世界には100歳を超える長寿者の多い「ブルーゾーン」と呼ばれる地域がある。
イタリアのサルデーニャ島、沖縄、アメリカ南西部のロマリンダ、コスタリカのニコジャの4カ所など「ブルーゾーン」にあたる。探検家のダン・ビュイトナー氏の調査によると、「ブルーゾーン」で生活する人々には以下の共通点がみられる。
(1)適度な運動
(2)腹八分目
(3)植物性食品の勧め
(4)適度な赤ワイン
(5)目的意識
(6)人生をスローダウンする
(7)なんらかの信仰心
(8)家族最優先
(9)人と楽しい繋がりを持つ
この研究結果をみると、人生との向き合い方や精神面も影響しているが、やはり、動物性タンパク質を食べ過ぎない事は長寿・若さの一因といいうことなのだろうか。
【健康長寿のサーチュイン遺伝子】
我が国でも、金沢医科大学の古家大祐教授がエネルギー接種制限と健康長寿との関係について研究している。
古家氏によると、
「昨今、絶食をした時に活性化するサーチュイン遺伝子という遺伝子が見付かりました。絶食を続けると補酵素という物質の一種であるNAD+がサーチュイン遺伝子が活性化されます。生物の歴史の殆どは飢餓の歴史です。人類についても、稲作などの農耕がまだされていなかった時代は、動物や魚を狩猟しなければなりませんでした。そうした過酷な状況では、生き延びる為にサーチュイン遺伝子が活性化された訳です」
「絶食をすると、例えば、パーキンソン病・ハンチントン舞踏病など不要なタンパク質が要因するしている病気は改善します。また、糖尿病も肝臓・脂肪組織・骨格筋におけるインスリン抵抗性を改善します。心血管疾患系では、動脈効果を抑制したり、心不全になるのを防ぎます」
「米国のウィスコンシン大学で続いている、アカゲザルを対象とした有名な研究があります。アカゲザルの平均寿命はおよそ28年ですが、研究対象のアカゲサルたちに、生後8年の時点から、エネルギー摂取量を3割抑えた“腹七分”の食事を続けさせています。実験から20年経った時点で、通常の食事を続けさせたアカゲザルは半数が死んでしまったのに、“腹七分”のアカゲザルのほうは8割が生き延びています。そして、普通の食事で過ごしてきたアカゲザルのほうは、毛が抜けたり皮膚がたるんだりしていますが、“腹七分”のほうは毛のツヤがよく、姿勢もピンとしていました」
いかがだろうか。戦後、我が国で平均寿命が大きく延びたことから、「粗食ではなく、戦後の肉や乳製品などを豊富に使った栄養満点の食事が寿命を延ばす」という批判もある。
しかし、戦後に寿命が延びた原因は医療技術の進歩による要因も大きい。そして、現在の畜産は多々問題を抱えている。欧米ほどまだアニマルウエルフェア(動物福祉)が重要視されていない大量生産大量消費の為の日本の工場型畜産は、畜産動物にとって決して健康的、衛生的ではない過密な環境で行う農家が未だに多い。
なにもしなければ畜産動物が病気になるような環境なので、動物たちは大量もワクチンや抗生物質をうたれ、また畜産動物の食料となる牧草にも化学肥料が用いられている。
それらの畜産動物を食べることで、間接的に様々な薬剤や化学物質も摂取することなる。
現在、大豆ミートがブームになっているが、肉を食べ過ぎている方は。若さと長寿の為に、食生活を見直してみるのも良いかもしれない。
文:深月ユリア ミステリーニュースステーションATLAS
ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血を受け継ぐ魔女占い師。ジャーナリスト、女優、ベリーダンサー、映画・イベントプロデューサーとしても活動
著書
「あなたも霊視ができる本 」文芸社
「世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに」明窓出版
トップ画像©Ann1992 PIXABAY