20日放送の『人生最高レストラン』(TBS毎週土曜23時30分)のゲストは、渡辺江里子(49)と木村美穂(48)のコンビ芸人・阿佐ヶ谷姉妹。

実際に東京都杉並区阿佐ヶ谷に在住20年以上だという姉妹は、2018年、『女性芸人No.1決定戦 THE W 2018』(日本テレビ)で優勝してブレイク。また、同じく2018年に出版された姉妹の日常を綴ったエッセイ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(幻冬舎)が、今月8日からNHK総合『よるドラ』枠で全7回でドラマ化されるなど、今、ノリに乗っているお笑いコンビである。

番組開始早々、お笑い芸人である2人が、元々は同じ劇団の養成所(東京乾電池)に所属していた事に、番組MCの極楽とんぼ・加藤浩次は先ず驚きを隠せない。2人はわずか1年で養成所を退団してからも、似た風貌で価値観の重なる友人同士として付き合いを続けていたという。

するとそこで、なぜか加藤が姉妹に突然、「ツラい時ないですか?」と質問を投げると、渡辺が「お笑い番組の水泳大会があった時に、ボビー・オロゴンさんを、騎馬戦で私達が下になって担いでいた時…」との答えに、出演者達は爆笑。

また、「戦闘的なボビーさんの動きに、私達どんどん水に浸かって…」、そして、姉妹が顔を見合わせながら「あれチョット…苦しかったわねー」と淡々と話す二人に加藤が「ボビーが下に行くべきだろ!」。

再びスタジオが笑いが起こると、特に島崎和歌子はハンカチを目に充て笑いが止まらず…。




さて、そもそも2人が芸人になったきっかけというのが、姉妹が友人時代の頃、阿佐ヶ谷駅北口『川秀(うなぎ屋)』(現在閉業)の店主が、顔の似ている2人を見て「そんなに似てるなら姉妹と言って阿佐ヶ谷姉妹という名前で何かやったら?」と言ってくれたという。

そのエピソードに加藤は「え?そうなの?そこから始まったの?」と目を丸くした。なお、姉妹は名付け親の店主にはいまだに感謝しかないそうだ。

また渡辺が4年前に大号泣して食べられなかったナポリタンのエピソードを披露。

エッセイを書く仕事をしていた時、渡辺が書けないスランプに落ちた時の事。阿佐ヶ谷駅北口の『喫茶gion』で、原稿を立て直しお気に入りのナポリタンを注文。するとそこへ、マネージャーから進捗状況の問い合わせの電話が入った。店外での会話から戻ったらナポリタンが冷たく固くなっていたという。ナポリタンが喉を通らず泣きながら帰宅した渡辺。

そして、当時同居していた木村がカレーを作り待っていてくれた話を渡辺が続けて話すと、木村は当時を思い出したか嬉しそうな表情を浮かべ始めた。いつもは辛口のカレーしか作らない木村、甘党の渡辺。「自分の為に甘めのカレーを作ってくれ、普段買わない甘口のルーの空箱を見た」と話した瞬間、渡辺、涙で上手くトーク出来なくなってしまった。

ここで思わず加藤が「今の(カレーの話)がエッセイになるじゃない」と言うと、渡辺が「書けないってことを書いた…」。




さらに、3年前に初めて大盤振る舞いしたという木村の”人生最高の一品”は、キジ鍋だと話した。

場所は阿佐ヶ谷ではなく、以外にも新宿歌舞伎町。これには加藤も「(番組的に)人生最高を阿佐ヶ谷に持ってこない?」「それはマズいなー」と、思わず腕を組んだ。

その歌舞伎町の『和処 秀』には、忘れられない思い出があるという。

2018年TBS『オールスター感謝祭』で、木村は個人として見事優勝。優勝賞金100万円を獲得した。100万円で所属事務所の皆さんに恩返しがしたいと、『和処 秀』で高タンパクで、味も身体にも良いとされるキジ鍋を振る舞ったという。
 
姉妹は、30代半ばから世話になっている所属事務所(株式会社アッシュ・アンド・ディ・コーポレーション)にとても感謝していることから、事務所ライブが行われた日のエンディングに舞台上で、所属タレントのシティボーイズ(大竹まこと)から、事務所正式所属を認める表彰状が送られるというサプライズがあり、渡辺は余りの嬉しさに膝から崩れ落ちて泣いたと話した。

素敵な事務所に入れていただいたというお礼を兼ねたキジ鍋。何とも良い話だと思っていると、渡辺が「シティボーイズの皆さんも、ムロツヨシ(同事務所所属)さんも予定が合わずに来られなかったのよねー…」というと、加藤が「全員が揃う時にしろよ!」と一喝するとスタジオは笑いに包まれた。

加藤いわく”みんなに愛されている”、阿佐ヶ谷をこよなく愛す姉妹は、週3、4回くらい近所からおかずや野菜など様々な差し入れがあるという。そこで加藤と島崎は揃って「凄い愛されてるね。阿佐ヶ谷から絶対出たらダメだ」と進言した。

今回の放送で、“阿佐ヶ谷”という特定の地名を背負っている、姉妹のまるで阿佐ヶ谷大使さながらの地域に対する愛情と義理、温かく支えてくれている所属事務所に対する感謝と仁義。その人徳に『男はつらいよ』のような、昔懐かしい下町に住む人々の匂いを感じた気がした。

今回の数々のエピソードを見て、健康で、いつまでも長く活躍して欲しいと思えた女性芸人である。

(香里 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし (幻冬舎文庫)

 

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