
口パクやシンクロダンス、コメディタッチの寸劇などの面白い動画がTikTokに溢れているが、最近欧米を中心にある分野の動画が注目を集めているという。
それは「WitchTok」と呼ばれる魔法や魔術、スピリチュアル系の動画だ。
先月にはワシントン・ポスト紙がTikTokで配信を行う10代の魔女の生活を紹介する特集記事を掲載するなど、広く注目されている。ハッシュタグ「#WitchTok」が付けられた動画は累計約200億回は再生されており、TikTokで最も人気のあるハッシュタグの一つとなっている。
内容はちょっとした占いや魔法薬の作り方、ペンデュラムを使ったダウジングや自動書記の実践など様々。これらの番組は海外の宗教学者も興味を示しており、キリスト教以前から続く土着信仰と様々な地域の伝統や文化にネオ・ペイガニズムやスピリチュアルが混ざったものが現代の魔女が用いる魔法だとしている。そんな魔女たちの団体の一つである。
#witchtok
「Covenant of the Goddess」は、自分たちの魔術を「様々な文化的ソースから派生した、多くの多様な伝統を持つ魔法を元にした一種の宗教であり、コヴェン(魔女たちの集団のこと)や個々の実践者がベースとなっている」と定義している。
アメリカでは20世紀後半から国内に魔女が増えてきたそうで、1990年から2008年の間にコミュニティの参加者数が40倍以上に増加したものもあるという。そして若い魔女たちがネットやSNSを中心に活動することで若い人たちにも魔女の活動が周知されるようになり、より受け入れられているのではないかと言われている。その証拠に、#WitchTokを視聴する若い世代の人の多くは、「伝統的なキリスト教への信仰を持ち続けながらも、精神的な成長のために既存の構造を超えたものを求めている」人が大半だという。
自分の悩みを解決したり、前に進みたいという目的のために、自分で信仰を選びながらスピリチュアルな力を利用したいという彼らの願いに応えるものとして魔術が選ばれ、動画が受け入れられたのではないかと専門家は考えているようだ。
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©Lothar Dieterich / PIXABAY