最古の北米大陸を描いた「ヴィンランド地図」は偽物だった!

世界の古地図の中に「ヴィンランド地図」というものがある。

これは15世紀に書かれたとされる地図であり、北アメリカの海岸線の一部である「ヴィンランダ・インスラ(Vinlanda Insula)」が描かれているというものである。ヴァイキングたちが北欧を離れて様々な所に進出していった時代、有名なヴァイキングの「赤毛のエイリーク」ことレイフ・エリクソンは1000年頃に北米大陸を発見。その地をヴィンランドと名付けたという。

なお、この地は現代のカナダのニューファンドランド島説が有力だが、北米大陸の東側の様々な地域が候補に挙がっている。ともあれ、その後ヴィンランドではヴァイキングたちの入植が行われたそうだが、彼らの本拠地から距離があったり、グリーンランドの方が距離も近く拠点としての利点が高かった事などから、十数年程度で放棄されたという。




それでもしばらくは少なくないヨーロッパ人がこの地を訪れていたとみられている。その後、13世紀に作成されたヴィンランドの地図を15世紀になって羊皮紙に模写したものがこのヴィンランド地図だ。この事実が確かならば、ヴィンランド地図は北米大陸が記された世界で一番古い地図となる。

ヴィンランド地図は1957年に初めて発見され、1960年代にイェール大学に寄贈された。だが、当時から「果たしてこの地図の内容は本物なのか」と議論が絶えなかったようだ。これまでの研究でも「羊皮紙に現代のインクが使われているのではないか」という指摘がされていたが、この度エール大学の研究者が現代の機器と技術を駆使して分析を行った。

その結果、インクに使われているチタン化合物は、1920年代まで入手できなかったものである事が判明。これにより、初めてヴィンランド地図が完全な偽物であると断定することができたのだ。

イェール大学バイネッケ稀覯本・手稿図書館の学芸員レイモンド・クレメンス氏は、ヴィンランド地図について次のように語る。

「ヴィンランド・マップは疑いの余地なく偽物です。この新しい分析によって、この問題は収束するはずです。また、この地図が本物と誤解された現代の複製ではなく、意図的ないたずらであることを示す強力な証拠があります。それは、作成者が本物の中世の巻物の一部を使用し、地図をより正当なものに見せるために上書きしたという点からもわかります」

では、誰が何のためにヴィンランド地図を作ったのか。それは今も明らかになっていない。

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©wanderflechten on VisualHunt.com

 

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