
アトラスでも以前紹介したが、昨年第二次世界大戦中の蒸気船「カールスルーエ」がポーランド人ダイバーのグループによって発見されるという報告があった。
この船は旧ドイツの港町ケーニヒスベルク(現カリーニングラード)で最後に目撃されたもので、ナチスが接収した大量の金やその他の財宝を積んでいるのではないかと考えられていた。その中には戦時中にナチスに略奪されたロシアの貴重な財宝「琥珀の間」のパネルが含まれていたのではないかと考えられていたのだ。
昨年12月、ダイバーのチームが船内に潜ってみたところ、貴重な貨物を保護するためのゴム製のシールが付いた特別な木箱があったことが判明、貴重な物品がまだ残されているのではないかという期待が高まった。そして、今年5月に予定されていた調査は頓挫したが、9月頭になってようやく本格的な船内調査が開始された。
Baltictech社の主導のもと、1日に12回の潜水調査が行われる。3人のダイバーが沈没船に入り、約30分かけて残骸の中にある謎の箱を調査するという内容である。
すると、沈没船を調査していたダイバーからもたらされたのは、船内で発見された様々な木箱やコンテナには「琥珀の間」は全く含まれていないというものだった。その代わりに軍の装備や個人の荷物が多く残されていることがわかったという。
「船首の船倉を徹底的にチェックしました。開いていて破損しているチェストにはすべて軍備品が入っており、小さいものは東プロイセンからの難民の単なる個人的なスーツケースでした。もちろん触ってはいませんが、それにしても大きな印象を受けました。いたるところに散らばった靴やベルト、私物の荷物が、カールスルーエの難破船で1000人近くが亡くなったことを思い出させてくれました」とダイバーは語る。
また、調査を行ったチームの隊長であるTomek Stachura氏は「ロボットとの最後のダイビングで確認しましたが、積み荷の中に『琥珀の部屋』のパネルがある可能性は1~2%しかないでしょう」と述べている。
Baltictech社は公式Facebookページにて今後は貨物室に焦点を当て、何か新しいものを見つけられるかどうかを確認するつもりだと述べている。今回のプロジェクトは貨物の目録を作成することを目的としており、実際に財宝を回収するのはポーランド政府の責任となる。
全ての積み荷が引き上げられるまでにはまだ少し時間がかかるとみられている。
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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