
有罪判決を受けた殺人犯が服役中に数学の難問を解決するという偉業を成し遂げた。
刑務所に収監された囚人の中には、服役中に新たな才能に目覚める人もいる。たとえば、その一例として、殺人罪で有罪判決を受けたクリストファー・ヘイブンズもその中の一人だ。
彼は現在シアトル近郊の刑務所に9年間服役しているのだが、彼が目覚めたのは数学だった。現在、彼は他の受刑者に教育する条件で、教科書を差し入れてもらうことを許可されている。
驚くべきことに、ヘイブンズ自身の学歴は高くない。彼は高校を中退した後に仕事を見つけることができず、薬物中毒になっていた。
覚醒剤から数学へ
そんな彼が獄中で数学に目覚めたというのだから不思議なものである。
彼は刑務所から数学の出版社に手書きの手紙を送り、「Annals of Mathematics」のバックナンバーをいくつか入手して自分が掲載されている数学的問題に挑戦できるかどうか試してみることにした。
これに興味を持ったMathematica 科学出版社の編集者は、つてを辿って彼の手紙をトリノ在住の数学者 ウンベルト・セルッティ教授に転送、教授はヘイブンズの能力を試すためにいくつかの問題を送ってみた。
Convicted murderer solves ancient maths riddle from his prison cell https://t.co/8ztIdASvKf pic.twitter.com/NQ1tHr0Aon
— NewsBop! (@NewsBop) September 5, 2021
すると教授の元に、ヘイブンズから長い数式が書かれた手紙が届いた。彼は教授の問題に正しい解答を出してみせただけでなく、教授が長年取り組んでいた「継続分数」を含む数論を解いてしまったのである。
現代の暗号技術にも使われる重要な理論の解明に、初挑戦で貢献したヘイブンズに教授はいたく感心した。
その後、ヘイブンズと教授は共同で論文を執筆し、学術的な出版物を完成させている。
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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