世界初の原子爆弾の開発に成功したのはアメリカだが、実はナチスドイツも核兵器を使って連合国に勝利することを目指し、独自の核開発計画を進めていたとされている。

パシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)に保管されている「ハイゼンベルク・キューブ」と呼ばれるウランの塊は、この時代に残された数少ない遺物の1つであり、ドイツの核開発プログラムの遺物ではないかと長年にわたって研究されてきたものだ。

今回、科学者たちはこのキューブと核開発プログラムの関連性を証明すると同時に、米独間の核軍拡競争についても新たな知見を得ることができそうだと発表した。




オレゴン州立大学のブリタニー・ロバートソンはVice誌に「研究の第一段階は、可能な限り多くの情報を集めることでした。核鑑識を行うためには、証明しようとしていることへの洞察を引き出すための測定方法を特定する必要があります。その洞察を得るためには歴史的な観点からだけでなく、機密解除された文書や、科学者の間で交わされた手紙が公開されてデジタル化されたものなど、たくさんの資料を読まなければなりませんでした」と研究の苦労を語っている。

「ハイゼンベルク・キューブ」が本当にナチスの核計画の一部であったかどうかを判断するため、研究者たちは放射性物質による年代測定を行い、その年代が予想された時代と一致していることを確認した。

なお、現在はこのキューブがドイツのどの研究所から持ち込まれたものか、またウラン鉱石がどこから持ち込まれたのかを明確にするための調査が行われている。

さらにロバートソン氏は「これは私の博士課程での研究の核心の一つであり、この分野に貢献できることをとても嬉しく思っています。一体どこのウラン鉱床から手に入れたのでしょうか」と述べている。

ヒトラーの原子炉-第二次世界大戦のウランキューブ原子炉とアルソスミッション:アトムケラーハイガーロッホ

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像&動画©bionerd23 YouTube

 

関連記事

最近の投稿

ページ上部へ戻る